大阪王将が「街中華モデル」戦略で見いだす勝機 「地域特性」を取り入れたオリジナルメニュー

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商品には、料理人でなくてもおいしく焼けるよう、「フライパンで焼く場合」「ホットプレートで焼く場合」など詳細な説明つきのリーフレットも同梱しているそうだ。

こうした工夫が功を奏してか、生餃子の販売比率も増加しているようで、生餃子の販売数が倍になった店舗もあるという。

大阪王将代表取締役社長の植月剛氏。1995年にイートアンドホールディングス入社、2020年10月より現職。現場で店長を務めた経歴も(撮影:尾形文繁)

生餃子の販売数が増えてくるとなると、グループ企業が販売している冷凍餃子とのすみ分けも気になるところだ。コロナ禍で冷凍食品への需要が高まり、工場がフル稼働するほどに販売数が伸びたという「大阪王将 羽根つき餃子」。自分で焼くのなら、冷凍餃子でもよいのではないだろうか。

植月氏によると両者は別の商品で、店の餃子のほうがやや皮がもちもちしているほか、材料も製法も異なるという。冷凍食品のほうが油の必要もなく、誰でも焼けるという特徴がある。また買い置きできるのも冷凍食品のメリットだろう。

「どちらがおいしいとは言えず、シーンによって使い分けるとよいのでは」とのことだ。

「餃子の王将」との関係は?

なお、やじ馬根性ではあるが「餃子の王将」との関係についても聞いてみた。こちらは海外店も含めて734店舗、うち528店舗が直営とビッグチェーンだ。

「『餃子の王将』から51年前に分家したのが大阪王将です。餃子については、もとは同じ味のはずですが、それぞれ変わってきているでしょう。ただ値段だけは同じなんです(笑)。どちらかが変更すればもう一方も変えるというふうになっていますね」(植月氏)

似た店名だけに比較されることも多い両者。違いが明らかになる価格面ではライバル意識が出てしまうようだ。なお、餃子の王将も6月25日にテイクアウト・デリバリー専門の新業態「Joy Naho(ジョイ・ナーホ)」をオープンしている。

コロナ禍では厳しい局面を迎えた飲食店も多いが、生活様式の変化を取り入れつつ飲食の文化を次代に伝える、魅力的な取り組みも始まっている。飲食業界にはぜひ、食という根幹的な営みへの熱い思いと推進力を維持し続けてほしい。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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