大阪王将が「街中華モデル」戦略で見いだす勝機 「地域特性」を取り入れたオリジナルメニュー
黄色の地に店名、ラーメン丼を思わせる縁取り……ひと昔前の中華料理屋のような看板がどこか郷愁を誘う。餃子チェーンの大阪王将がこのところ増やしている新しい形態の店舗だ。「街中華モデル」と呼ばれているこの店舗を、同社では50周年をにらみ2018年11月からこれまでに35店舗展開してきている(2021年5月末時点)。
7月5日にオープンした両国店を例にとると、目立つ特徴が、テイクアウト用の窓口を大きく設け、窓口から店奥まで続く縦長の厨房を見渡せる形となっていることだ。平日午後3時頃に訪ねたが、注文客や料理のできあがりを待つ客などが途切れることなくいる状態で、店内にも数名が見られた。オープン1カ月の売り上げは目標値の159%となっているそうだ。
厨房を縦型とした理由はテイクアウト強化。厨房が見渡せることで利用客にとっては安心につながる。平均テイクアウト比率が19%→38%と、およそ倍になったというデータも出ているそうだ。両国店ではランチタイムのお弁当も含め、客の4〜5割が持ち帰りだという。
目玉商品は「力士メニュー」
同店の目玉商品が、地元の国技館にちなむ力士メニューだ。「両国横綱定食」(1500円)は、差し渡し30cm弱のプレートに看板メニューの餃子、王将特製油淋鶏、自家製鶏チャーシュー、炒飯の上に目玉焼きをのせたボリューム感あふれる一品。
その他この店舗オリジナルのメニューとして、「両国力士飯」「王将ちゃんこラーメン」も肩を並べている。
両国というと力士のイメージが強いが、ほかにも、都心に近く家賃が比較的安めなことから、若年層の単身者が多いという特徴がある。この立地特性から、力士も満足できるようなボリュームのあるメニューを設けたそうだ。
このように、地域に合わせた独自メニューがあることも街中華モデルの大きな特徴となっている。以下、街中華モデルの詳細や狙いについて、大阪王将に取材した。
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