狭い家に引っ越したら「町のアイドル」になった訳

周りに壁を作ってきた私が突然「いい人」に

銭湯からの帰りの坂道から見える空は大好きな光景。近所の人だけでなく雲にも木々にも建物にも愛を感じる日々(写真:筆者提供)
疫病、災害、老後……。これほど便利で豊かな時代なのに、なぜだか未来は不安でいっぱい。そんな中、50歳で早期退職し、コロナ禍で講演収入がほぼゼロとなっても、楽しく我慢なしの「買わない生活」をしているという稲垣えみ子氏。不安の時代の最強のライフスタイルを実践する筆者の徒然日記、連載第18回をお届けします。

「自分ファースト」から「他人ファースト」へ

家がいくら小さくたって、そう小さすぎて生活必需品すら手放さなきゃならなくたって、「町がわが家」と考えればむしろ豪邸じゃないか! ……という画期的アイデアを思いついたものの、そのためには「ご近所づきあい」という人生で初めて直面する試練をくぐりぬけなければならぬという容赦ない現実に直面し、いきなり四苦八苦……という話を、過去2回にわたって書かせていただいた。

稲垣えみ子氏による連載18回目です。

そうなのだ。これはまさしく、これまで50年も生きてきてまったく考えたこともない、人生初の事態だったのであります。

何しろ私が生まれてこのかたずっと目指してきたのは、身もフタもない言い方をすれば「他人様に一目置かれるワタシ」になることだった。その夢を叶えるために、いい学校を出ていい会社に入り、競争に取り残されぬよう自分なりに頑張ってきた。

人よりもワンランク上の位置に自分を置き、自分の好きなように振る舞い、周囲からチヤホヤされる……それが理想のワタシだったのである。

それが、今やどうか。

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