狭い家に引っ越したら「町のアイドル」になった訳 周りに壁を作ってきた私が突然「いい人」に

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「町がわが家」ってことは、私ってばまるでお城に住む王様じゃん♡ などと盛り上がっていたのは一瞬のことであった。現実には私は王様などではまったくなく、近所のお情けにすがって生きる、いわば寄生虫だった。

ご近所の方々のご機嫌を損ねてしまっては、たちまち日々の暮らしに支障をきたしてしまう不安定な存在。その厳しすぎる現実を、勝手に「マイ風呂」と定めた近所の銭湯で常連様の容赦ないダメ出しを食らって骨の髄まで思い知ったところである。

つまりは、私はこれから人生に対する考え方を180度変えねばならないのだ。

「自分ファースト」から「他人ファースト」へ。

人様にご機嫌をとっていただく人生から、人様のご機嫌をとり続ける人生へ。

いやー……なかなかの事態である。

そもそもそんなこと、やったことない。あ、そんなことないか。やったことはある。会社員時代、自分の利害の鍵を握っていた上司にはそれなりに気を遣ったし、重要な取材先には間違いなくヘコヘコしていた。

しかしそれは、一時的なポーズというか方便のようなもので、より大きな果実を手に入れるための手段でしかなかった。だから苦い思いも一時的に脇へ置き、そんなこともなんとかできた。

でもこれから私がやらなきゃいけないのはそういうことじゃない。生きて行く限り、生活していく限り、どこまでも周囲の人に気を遣い続けなければならないのである。

だって私の家は相手の許可なく勝手に近所に拡大してしまっているのだ。あとは事後承諾をしていただくしかない。つまりは相手がどのような方であれ、なんとかして私のことを気に入っていただかなくてはならないのだ。

いやーなんというか……めちゃくちゃ大変じゃん! そんなこと、もう若くも可愛くもないこのトシになって、今さらできるのか? っていうか、人様に一目置かれるはずだった私の人生は一体どこへ……。

急にめちゃくちゃいい人になった私

結論から申し上げます。

私、ちゃんとできました! 自分でも驚くほど、スイスイと、この人生の大転換をやってのけたのである。

難しいことはなんにもなかった。

次ページ人生を大転換させた具体的方法とは?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事