夏に降る突然雨は「もともと雪だった」意外な事実 氷の塊「ひょう」が降る理屈も説明できる
雲の中では、上昇気流で空に昇った雲の粒は凍って氷の結晶となり、それらは水蒸気を栄養にして大きく成長していきます。すると、次第に自分自身の重さで落下できるようになり、雪やあられとして落ちてきます。
しかし、地上に近づくにつれて気温は上昇しますよね。雪やあられは0℃よりも温かい空に落ちると同時に融け、雨に変化するというわけです。真冬のように地上が冷えていると、融けずに雪のまま落ちてきます。
雪が融けて雨になるかは地上付近の気温と湿度次第。気温が数℃程度だったとしても湿度が低く乾燥していれば雪が降ります。これは、乾いた空では雪は蒸発(昇華)して自分自身を冷やし、融けにくくなるからです。
「ゲリラ豪雨」の原因も積乱雲
近年では突然降る雨は「ゲリラ豪雨」と呼ばれることが多いですが、これは積乱雲による局地的な雨のことです。
「ゲリラ」という言葉から、いかにも最近起こるようになった“予測できない危険な現象”というイメージを持ちがちかもしれませんが、実は古くから「通り雨」や「夕立」、「驟雨(しゅうう)」と呼ばれてきたもの。昔からよくある現象なのです。
積乱雲の寿命はとても短く、時間にすると30分~1時間程度です。その広がりも、横方向に数km~十数km程度と意外と狭いのが特徴。移動する積乱雲が真上にやってくると突然雨が降り出し、通り過ぎるとすぐに雨があがります。これがゲリラ豪雨のからくりです。
ちなみに、ニュースでよく見る「1時間に100㎜の雨」ですが、1時間に一度1m四方につき小柄な力士(体重を100kgと仮定した場合)がひとり落ちてくるのと同じ重さ。豪雨のときは数十kmにわたって猛烈な雨が降るので、空一面を小柄な力士に覆われているということを想像できます。積乱雲が複数集まるとこのような雨を降らせうるので注意が必要です。
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