何で私が?突然ビリチームを任された男の心の中 米海軍で屈指の潜水艦艦長が見せた圧巻の決意

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その代わり、年が明けたらすぐに、別の戦隊に属する潜水艦「サンタフェ」を引き継ぐことになるという。私はすっかり混乱した。オリンピアのために考えたリーダーシップの執り方も、これまでに学んだ技術的な知識も、艦が変わってしまったら意味がない。

なぜ私が突然就任することになったか

サンタフェの指揮を執れという知らせはショックだった。この艦について知っていたのは、パールハーバーに駐在中で、6カ月以内に配備に就くということくらいだった。

私が艦長候補養成訓練を受けていたあいだ、サンタフェはずっと訓練生のジョークのネタにされていた。その前年に、乗員のやる気のなさを表す写真がインターネット上にアップされたことがあったのだ。そのせいで艦長は叱られ、訓練では典型的な悪い例として使われていた。

それに、この艦には予定どおりに出航できなかったという過去がある。乗員の残留率も最悪で、1998年だけを見ても、艦に残ったのはわずか3人だった。

クルーズ旅行から戻った私は、サンタフェが所属する潜水艦第7戦隊の司令官に就任したマーク・ケニー代将を訪ねた。

ケニー代将は、艦長候補養成訓練で私の教官を務めていた人物でもある。後から知ったのだが、私が突然サンタフェの艦長に就任することになったのは、彼の強い推薦があったからだった。

●君が乗る艦は優秀ではない

ケニー代将は新たな任務についての説明を始めた。

「君の任務は、6カ月でサンタフェとその乗員を配備に就ける状態にすることだ。艦長という視点から見れば、これは夢のような配備だよ。空母コンステレーションが率いる戦闘艦隊に入るのだから。ただし、要求も厳しい。今回の配備では、アラビア湾の浅瀬で魚雷発射訓練も予定している。戦闘力の高さを実演してもらうつもりだ」

それから、厳しい現状を語る言葉が続いた。

「君の前で任務の現実を隠すつもりはない。君が乗る艦は優秀ではない。私が見る限り、艦にはリーダーシップが存在していない。これは非常に珍しいケースだ。いいか。乗員を交代させる必要があると思えば、私に知らせてくれ」

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