何で私が?突然ビリチームを任された男の心の中 米海軍で屈指の潜水艦艦長が見せた圧巻の決意

「サンタフェ」の艦長になれという指令
1年間の艦長候補養成訓練を終えた1998年12月、私はパールハーバーで攻撃型原子力潜水艦「オリンピア」の帰艦を待っていた。
4週間後に司令官交代式が行われ、私がこの艦の新たな艦長となるのだ。前線で活躍する攻撃艦に乗りたいと思っていた私にとって、これは夢のような配属だった。
オリンピアは優秀な艦だった。艦に残留する乗員の数も多く、検査成績も平均以上。沿岸では、「やり遂げる艦」と評判だった。つまり、与えられた任務はすべて完璧にこなすということだ。
艦長候補養成訓練を通じてこの艦の技術的なことは熟知していたし、引き継ぎももう十分だと思ったので、就任まで、私は休暇をとって妻と過ごすことにした。ちょうど由緒あるクルーズ船でハワイ諸島を巡るツアーがあったので、それに参加した。
ツアーに参加して5日目の朝、キラウエア火山から海に溶岩が流れ込む脇を通過していると、私宛てに電話がかかってきた。電話口からとぎれとぎれに聞こえてきたのは、私の司令官交代式が中止になったという知らせだった。
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