「臨時職員で更新なし」悩む女性へのアドバイス 短期で退職を余儀なくされてしまうのはなぜ?

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反対に、目指すべきゴールの姿が明確でない場合はその都度で仕事なりを選んでしまうがゆえに、どうしてもふらふらとしてしまう、ということになります。

ゴールが明確である前者の場合は、たとえ遠回りであったとしても関連性があるがゆえに毎日がゴールへ向かううえでの積み重ねになっています。
つまり毎日ゴールに向かって一歩一歩着実に近づいている、ということです。

ゴールが不明瞭な後者の場合は、毎日がある意味で時間の浪費となってしまっているのです。ゴールが不明瞭であるがゆえに、まっすぐに進むのではなく、昨日は左に行き、今日は右に行き、明日は斜め上に行く。そんなイメージです。

そもそも論として現実的なのか?

これではキャリアの積み重ねではなく、単なる時間の浪費であり、無駄なあがきとなってしまいます。であるがゆえに、まずK子さんとしてすべきは、なぜ自分は公務員としてのキャリアを歩みたいのか、そして公務員といってもさまざまな職業がある中で具体的に何をしたいのかを考え、そのうえでその道はご自身にとって現実的な職業上の選択肢となりうるのかを見極めることです。

今までの経験や現状お持ちのスキル、現在のご年齢や日々勉強や準備に費やせる時間などを考えた際に、そもそも論として現実的なのか、という判断です。

言い換えると、漠然としているゴールのイメージをより具体化、現実化していく、という事です。仮に公務員になるというゴールを設定したとしても、周りからは出遅れていることは歴然とした事実としてK子さんもご認識されていることでしょう。であれば、この先の時間を無駄にしている暇はないはずです。

前述したとおり、今現在ご自身はキャリアパスの中でどこにいて、今現在何ができて、今現在何をするべきかをとことん考え抜き、実現のための行動を起こすべきです。

ゴールが公務員であろうとなかろうと、現状を打破したいという気持ちがあるのであれば、この棚卸は必須です。

毎日が不安と書かれていますが、不安なのは自分がどこに向かっているのかがわからないためでしょう。

同じ苦労でも、向かっているゴールが明確で、「今日も一歩前に進めた」と思えるのか、それともどこに向かっているのかもわからない、という状態とでは気持ちはまったく異なるハズです。K子さんがそういった「今までとこれから」を整理し、しかるべき道に向かって着実な一歩を踏み出されるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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