納得!だからあの人は「部下がついてこない」のか 現場が自発的に動く「PDアプローチ」の反転質問

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突出した成功者はPDにはなりません。というのも、そのような人は普通の人たちにとって参考にならないからです。

二刀流の大谷選手のマネをせよ、といわれてマネできるプロ野球選手はほとんどいないでしょう。それよりも平均的な体格、素質をもつ選手で、それでも平均以上に成績を上げている選手がPDになります。

コンピタンシー評価がなかなかうまくいかないのもそこに理由があります。ハイパフォーマーに着目しても、それはボトムアップやひいては組織変革にはつながらないのです。

学習する組織に生まれ変わる「反転質問」

このようなPDは組織の片隅に埋もれています。というのも、どうしても突出した成功者のみが目立つからです。したがって、PDをあぶり出すためには、それに適した質問によって特定していく必要があります。

そこで鍵になるのが、反転質問です。反転質問とは、「~にもかかわらず、うまくやっている人はいますか?」というものです。

「~」の部分に該当するのが、悪条件です。たとえば、営業担当者の場合、若手であるというのは経験が少ない分、大口得意先も少なく、この悪条件に相当します。そして、若手の成績が全体的に芳しくなかったとしましょう。そのとき、このように質問するのです。

「若手であるにもかかわらず、営業成績が平均より高い人はいますか?」

多くのマネジャーは、全体的な傾向をみて、それでステレオタイプ的に判断する傾向が強いといえます。「A地域の営業成績がよくない」という判断は、あくまでもA地域全体の売上額に言及したものです。その売上額が低かったとしても、営業担当者のなかには平均よりも優れた成績を収めている例外的な人がいるはずです。

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