「立地が格上げされる」2つ目のパターン、再開発はたくさんの計画が現在進行形で続々進んでいる。再開発といっても、その影響力は立地と規模によって雲泥の差になる。単純にその再開発された商業施設・オフィス・住宅・ホテルに来る人の数が重要なのだ。
その意味で、再開発で生まれる床面積の総量でインパクトが決まる。床面積があっても集客力がなければいけないことから、再開発は駅前で大規模に行われると威力を発揮する。
駅を巻き込んでの再開発の好例:渋谷
駅前の光景がこの10年で最も変貌した駅は渋谷だろう。渋谷ヒカリエ(2012年開業)、渋谷ストリーム(2018年開業)、渋谷スクランブルスクエア東棟(2019年開業)、東急プラザの建て替えの渋谷フクラス(2019年開業)、宮下パーク(2020年開業)と毎年の様に大規模な商業施設とオフィスの複合施設がめじろ押しだった。今後も、渋谷駅桜丘口地区(2023年度竣工)、ネクスト渋谷桜丘地区(2023年度竣工)、渋谷二丁目(ヒカリエの裏手の開発、2024年度竣工)渋谷スクランブルスクエア西棟(2027年度開業)、が続く。
これだけの計画があると、連鎖的に隣地でも計画が立てられることが多い。再開発の威力は集客力と比例すると書いたが、集客力の結果は乗降客数に端的に現れる。日本で最も乗降客数が多いのは3つの副都心駅であり、再開発規模は渋谷・池袋・新宿の順になる。
渋谷がここまで変わるのには、大きな理由が2つある。その1つは主たる事業者の都合だ。渋谷は電鉄会社である東急グループが全体計画を描いている。再開発の計画面積が大きい方がインパクトは大きいだけに、その場所の主たる所有者の意思が反映される。特に電鉄会社は駅の位置や駅への出入口を変えるという「ウルトラC」ができるだけに壮大な計画になる。
渋谷の場合、東急東横線の駅位置を変え、東京メトロ銀座線もJR埼京線もホームと出口の位置が変わるという大改革が行われた。渋谷駅の中心がヒカリエ側に移動したと言っても過言ではないほどだ。
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