日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さとは 適度に日光を浴びて脳の若さと心の健康を保つ
気分が落ち込むようなら、適度に太陽の光を浴びることをおすすめしたい。太陽の光は、体内時計を整えてくれると同時に、あなたの皮膚でビタミンDを合成してくれるからだ。
どのくらいビタミンDをとればいいか
1日にどのくらいのビタミンDをとればいいのか。この問いに答える際には、まず適切な血中濃度の範囲を定義する必要があるが、残念ながら広く確立された最適な濃度というものはない。
2014年に32件の研究をメタ分析したところ、次のような発見があった。がんや心臓疾患など、さまざまな原因による早期死亡のリスクが最も低かったのは、ビタミンDの血清25(OH)D濃度が40〜60ng/mlの時だった。50ng/mlに達すると、認知能力にも効果があったという。
これをビタミンDの摂取量に換算すると、ほとんどの人にとって1日2000〜5000IUが、先の範囲をクリアすることになる(日本では4000IUまでとされる)。
太陽の光を浴びるのは、ビタミンDを増やす理想的な方法だ。日光はビタミンDを生成する自然な経路に働きかけるだけでなく、一酸化窒素を生成して血圧を下げてくれ、体内時計も調整してくれる。
ただし、適切なビタミンD濃度を保つために必要な日光を浴びる時間は、季節や年齢、地域、大気の状態、肌を露出しているかしていないか、また肌の色などによって異なる。またDNAを損傷してしまわないよう、日焼けには十分気をつけて。
サプリで摂取する時には、ビタミンD3を選ぶこと。日光を浴びて皮膚で合成するものと化学的に同じだからだ。もちろん、サプリをとったからといって、偏った食生活や不健康なライフスタイルを解決してくれるわけではないが。
なお、生物学では常に「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」だ。日光の浴びすぎには気をつけよう。また、サプリなどでのビタミンDのとりすぎは高カルシウム血症を招いてしまう。
先にも述べたように、広く確立された最適な濃度というものはない。サプリで摂取するのであれば、定期的に簡単な血液検査を受けて、あなた自身のビタミンDの血中濃度を医師にチェックしてもらおう。
(構成 笹幸恵)
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