日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さとは 適度に日光を浴びて脳の若さと心の健康を保つ
慌ただしい都会生活は心の健康によくない
私はニューヨーク市で生まれ育った。都会で過ごす少年時代は楽しかった。だが10代になると、都会の慌ただしい生活が心の健康にあまりよくないことを感じていた。
自然に触れる機会が少ないために、いつも自分が自然と切り離されているように感じ、長い冬には季節性のうつ症状にも悩まされた。
幸い、私の両親は都会を離れて過ごす時間を大切にしてくれ、まだ私が幼い頃に、ロングアイランドの東端に位置するレムセンバーグという小さな町に一軒家を購入した。週末はたいてい家族揃ってその家へ出かけ、松林のなかで遊んだ。
当時はまだぼんやりと感じていただけだったが、現代の科学は、自然との触れ合いが心身の健康に重要であることを証明しはじめている。
ここでは、日光を浴びてビタミンDを合成することが健康にすぐれた効果をもたらし、私たちのあらゆる器官に影響を及ぼすことを述べよう。
充分な量のビタミンDを合成するのは簡単だと思うだろう。ところが実際、アメリカ人の42%はビタミンD不足だという。それには、日焼け止めの使いすぎや、1日の93%の時間を屋内や車内で過ごすといった理由などもある。
老化の具体的な原因は誰にもわからない。だが最近では、過剰な炎症にあるというのが定説となっている。
もちろん炎症のレベルにはさまざまな要素が関係している。たとえば、社会的なきずなを築いている、健康的な食事や活動的な生活を心がけている、生きがいのある人生を送っている、といったことが指摘されている。だがさらに、ビタミンDもそれと密接に関係している可能性が高い。
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