いまだ新型コロナに揺れているフランスですが、パリで三度目のロックダウンが行われている最中、2人のビジネスマンがオープンした2つの「生まれ変わった」施設が話題となっています。
1つは、世界的なラグジュアリーブランドグループ、LVMHのCEOであるベルナール・アルノー氏による「ラ・サマリテーヌ」。ラ・サマリテーヌは、2005年に閉鎖された歴史的なデパートでした。16年間の閉鎖期間を経て、驚異的な工事が行われ、何度も延期された後、ようやく2021年6月23日に再開されました。
今回も、日本の建築家事務所であるSANAAがこのリノベーションに貢献しています(フランスでは最近、ほとんどの新しいプロジェクトで日本人建築家が重要な役割を果たしています)。SANAAにとって、新しいサマリテーヌの建築的なアイデンティティは、「古いものと新しいものとの融合」にあります。この数カ月間、パリでは沈黙が続いていましたが、セーヌ川に面した宝石を発見することができて、とてもうれしく思っています。
革命記念日に感じたこと
もう1つは、フランスのトップ経済人であるフランソワ・ピノー氏が、ついに開設にこぎつけた新しいアート財団「Bourse de Commerce、Pinault Collection」。かつての貿易取引所の建物を著名建築家、安藤忠雄氏が改修したものです。
「私はこの過去の建物を復元したかったのです。私の意図は、この素晴らしい古い建物が、安藤氏のような21世紀の先鋭的な建築家と調和できることを示すことでした」ピノー氏は語ります。 ミニマリズムを原則とし、円を描くようにして、この現代アートのコレクションを表現しました。興味深いのはどちらも、日本人がかかわっている、ということです。
フランス革命記念日である7月14日には、シャンゼリゼ通りで大きなパレードが開かれました。これはフランスにとっても、政府にとっても「コロナ危機」から脱した、という大きな象徴となりました。
同じ日にはエッフェル塔の上にあがる豪華な花火も催され、そのテーマは「Liberté(自由)」でした。折しも衛生パス導入やワクチン義務化に揺れるフランス人にとって、今年の革命記念日はいろいろな意味で感慨深いものとなったに違いありません。
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