私はこんな質問をせずに育ったとても恵まれた世代の1人です。「女の子だから、これをしなければならない。女性だから、あれはできない……」。フランスでは男子も女子も同じように勉強をしますし、強制的な経済的自立は必須でないにせよ、仕事を得ます。結婚したり、子どもを持ったりするプレッシャーもなく、先入観にとらわれた人生の型もありません。
すべてにおいて自分が男なのか女なのかを考える必要はありません。しかし、『ママより女』の本を執筆し始めて、今のフランスの状況があるのは過去に非常に大きな運動があったからであると知りました。
フランスにおける数々の「革命」
実際、フランスは1970年代初頭まで保守的な国でした。女性が自分の銀行口座を持つことも、人工中絶することも、働くことも許されなかったのです。
フランス革命の時代、オランプ・ド・グージュは、フェミニストの先駆者であると考えられており、1791年に彼女は『女性および女性市民の権利宣言』を執筆しました。ですが、不運にも、当時は革命的でありすぎたため、グージュは結局、ギロチンで処刑されてしまうのです。
それからかなりの時を経て、1970年代初頭に再び「革命」が起こりました。「MLF」つまり、「女性解放運動」です。ここで知ってほしい人物が3人います。『第二の性』という有名な書籍を執筆したシモーヌ・ド・ボーヴォワール。1975年に中絶合法化の法律を可決したシモーヌ・ヴェイユ。そして、今年50周年を迎えて話題の「343人の宣言」に署名し、こうした運動に支援することをためらわない作家のフランソワーズ・サガンや、女優のカトリーヌ・ドヌーヴです。
その後、多くの場で男女平等が進み、例えば経済界に目を向けると、フランスの企業では約40%の経営幹部が女性です。また、弁護士や医師、ジャーナリスト、裁判官などは男性より女性が多いと言われる分野です。2011年以前は、大企業における女性の取締役比率は6%と非常に少ないものでしたが、2011年にEU加盟国で先陣を切って女性役員登用のクオータ制(2011年法)が導入されてから、現在では45%を占めるまでになりました。
この法律が短期間でこれだけ成果を上げたことが示すのは、時として状況を本当に変えたければ、人為的でありますが、クオータ制などを義務化することでしょう。政治分野では、2000年6月に選挙の候補者を男女同数にする「パリテ法」が導入されたこともあり、女性大臣が増えました。
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