50代から「幸せな人生」送るために手放したい事 幸せな人とただ痛い人の差はどこでできるのか

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ただ、その名刺で周りの人がチヤホヤしてくれたのは、本人をリスペクトしていたからではなく、その名刺の役職が持つ権力を崇めていたからです。「元」になった瞬間、その力は一瞬で消え失せます。そこを理解できない人は、この人のように「痛い人」となってしまうわけです。

その気持ちもわからなくはありません。彼らにとっては「〇〇株式会社の部長」が唯一のアイデンティティーだったのでしょう。それを喪失した瞬間、「何者でもない自分」と直面し、それに耐えられなくなってしまったのです。

この点、現役時代にあまり出世する機会に恵まれなかった人のほうが、定年後に新しいコミュニティーに自然に溶け込み、楽しく過ごせる人が多いようです。これはある意味、出世競争に敗れた人の「リベンジ」かもしれません。

さて、こんな「痛い人」にならないよう、50代で手放しておくべきもう1つのことは「名刺を手放す」です。具体的には、「名刺なしで自分について語れるようにしておくこと」となります。まずは、仕事相手以外の人に対し、名刺なしで自分を語れるようにしておきましょう。仕事の話をしてもいいのですが、それだけでなく、趣味や関心のある分野など「自分はどういった人物なのか」を語れるようにしておくべきでしょう。

「マウンティング」は忘れてしまおう

ここで、間違えがちなことを1つ。自分を語る際に意識すべきは「自分はいかにすごいか」ではありません。「どうしたら相手が関心を持ってくれるか」であるべきだということです。

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ビジネスの丁々発止の世界で生きてきた人はつい「あんなすごいことをやった」「あんなすごい人とつながっている」などと「マウンティング」に走りがちです。それが仕事相手ならば、ある程度ハッタリを利かせる意味もあるかもしれません。

しかし、そうでない人にとってはそんな自慢話を聞かされたところで、「ふーん」というだけですし、「自分をひけらかす嫌な人」と悪い印象すら与えてしまいます。いわゆる「マウンティング」は、50代のうちに、会社員のうちに手放してしまいましょう。

大塚 寿 エマメイコーポレーション代表取締役

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おおつか ひさし / Hisashi Otsuka

1962年、群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)でMBAを取得。挫折の多かった10代、「もっとやれるはずだ」という想いと現実とのギャップに悶々とした20代を過ごした。なんとか現状を変えようと、リクルートの営業マンという立場から、社内外の大手企業・中小企業の管理職や経営者1万人以上にアドバイスを求めるが、その中でも40代を後悔している人が特に多いことを発見。その轍を踏まないように準備し、40代で自己実現を果たす。歴史上の成功者よりも、身近な市井の人の成功・失敗に学ぶことの合理性を痛感している。

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