50代から「幸せな人生」送るために手放したい事 幸せな人とただ痛い人の差はどこでできるのか
ただ、その名刺で周りの人がチヤホヤしてくれたのは、本人をリスペクトしていたからではなく、その名刺の役職が持つ権力を崇めていたからです。「元」になった瞬間、その力は一瞬で消え失せます。そこを理解できない人は、この人のように「痛い人」となってしまうわけです。
その気持ちもわからなくはありません。彼らにとっては「〇〇株式会社の部長」が唯一のアイデンティティーだったのでしょう。それを喪失した瞬間、「何者でもない自分」と直面し、それに耐えられなくなってしまったのです。
この点、現役時代にあまり出世する機会に恵まれなかった人のほうが、定年後に新しいコミュニティーに自然に溶け込み、楽しく過ごせる人が多いようです。これはある意味、出世競争に敗れた人の「リベンジ」かもしれません。
さて、こんな「痛い人」にならないよう、50代で手放しておくべきもう1つのことは「名刺を手放す」です。具体的には、「名刺なしで自分について語れるようにしておくこと」となります。まずは、仕事相手以外の人に対し、名刺なしで自分を語れるようにしておきましょう。仕事の話をしてもいいのですが、それだけでなく、趣味や関心のある分野など「自分はどういった人物なのか」を語れるようにしておくべきでしょう。
「マウンティング」は忘れてしまおう
ここで、間違えがちなことを1つ。自分を語る際に意識すべきは「自分はいかにすごいか」ではありません。「どうしたら相手が関心を持ってくれるか」であるべきだということです。
ビジネスの丁々発止の世界で生きてきた人はつい「あんなすごいことをやった」「あんなすごい人とつながっている」などと「マウンティング」に走りがちです。それが仕事相手ならば、ある程度ハッタリを利かせる意味もあるかもしれません。
しかし、そうでない人にとってはそんな自慢話を聞かされたところで、「ふーん」というだけですし、「自分をひけらかす嫌な人」と悪い印象すら与えてしまいます。いわゆる「マウンティング」は、50代のうちに、会社員のうちに手放してしまいましょう。
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