50代から「幸せな人生」送るために手放したい事 幸せな人とただ痛い人の差はどこでできるのか

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自分の仕事に誇りを持っていたNさんは彼の態度が我慢ならず、日増しにストレスをためていきました。しまいには会社に行こうとすると動悸がしたり、お客様との会話に集中できなくなったりすることも。いわゆる「うつ病」の症状です。結果、しばらく休職することになってしまったのです。

休職期間が終わり、会社と復帰の相談をする際、Nさんはきっぱりと、「またあの人と一緒に仕事をさせられるなら戻らない!」と宣言したそうです。結果、その人物は別のところに飛ばされ、Nさんは無事元の職場に復帰。症状もピタリと収まり、Nさんはその後も自分の専門知識を生かしながら働き続けることができたのです。

実は50代という時期は、役職定年や出向などで、人間関係が激変する時期でもあります。しかも、そうした人事に不満を持つ人も多いため、さまざまなトラブルが起きがちです。そこで「組織の中では上司も、部下も、同僚も選ぶことはできない」と諦め、「いい人」「八方美人」に徹したところで、はたしてあなたにメリットはあるのでしょうか。

どうせ勤められてもあと10年。しかも50代は、その後の人生の準備をする大事な時期です。ここは思い切りわがままになってしまうことをお勧めします。それにNさんのケースでわかるように、専門知識を持つNさんを失って困るのはむしろ会社のほうなのです。会社への貢献という意味でも、堂々と主張すべきです。

産業医や社内カウンセラー、あるいは人事への申告制度など、使えるものはなんでも使ってやりましょう。こういった制度が若い社員のためにあると思い込んでいる人もいるかもしれませんが、そんなことはまったくありません。むしろ、「中年うつ」「老年うつ」の問題は、年々深刻化しています。もう30年も我慢してきたのです。最後の10年くらい、人間関係についてもある程度わがままになってしまってもいいのではないでしょうか。

「元部長」の名刺を配り歩く勘違いエリート

某有名進学校の同窓会の席で、実際にあったエピソードです。

久しぶりに同窓会にやってきたある人物。彼は東大を経て官僚になり、その後有名企業に天下りするという典型的なエリートコースを歩み、定年を迎えました。そんな彼は久しぶりに会った人たちに、しきりと名刺を渡してきます。同窓会で名刺を配るというのはそもそもやぼな話なのですが、その名刺にはなんと「〇〇商事株式会社、元部長××△△」とあったのです。

これには全員、思わず失笑。結局、誰も彼のそばには寄りつかなくなり、彼もそれ以来二度と同窓会に来ることはなかったそうです。「定年後の名刺」に関する笑い話は枚挙にいとまがありません。町内会でなぜか昔の名刺を配る人、個人の名刺に出身大学(もちろん一流とされる有名大学)をなぜか入れている人……。現役時代、著名企業で高い役職に就いていた人ほど、この「名刺の誘惑」から逃れられないのが事実のようです。

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