頭のいい人が実践する「すごいノート」のつくり方 複数の情報を〝大きなかたまり"で記憶する
続いて、ステップ1で決めたテーマについて、あなたが知っていることを片っ端から書き出します。
「民主主義について」というテーマを選んだなら、「民主主義=デモクラシーは古代ギリシア語の『人民の権力』が語源」「市民革命により絶対王政が倒され国民主権の考えが広まった」「日本の民主主義化はいつ?」などと、あなたが思いつく情報をどんどん書いていきましょう。講義ノートに使う場合は、その場で学んだ情報を書き込んでください。
感想や雑談も逃さずに記録
ここで大事なのは次の2点です。
● 情報はすべて端的にまとめる
例のように、1つひとつの情報は2〜3行ほどで端的に書き出し、長文は避けましょう。これにより情報の要旨をまとめるトレーニングになりますし、あとから見直したときに知識のかたまりを見分けやすくなります。
● 自分の感想や先生の雑談も書き込む
「どうでもいい雑談」や「講義中に浮かんだ自分の感想」は、あとから記憶を引き出すためのきっかけになります。
先生が冗談を言ったら「先生がスベった」と書き添えてもいいですし、内容を理解できずにイライラした箇所があれば「ここが意味不明!」とメモしておいても構いません。
情報を書き出すあいだに何かを思いついたなら、それは記憶の定着に役立つ可能性があります。「こんなことを書いてもなぁ……」などと思わず、何でも自由に書き込んでおいてください。
例えば、次のような具合です。
● 「民主主義の歴史」を学んでいたら、日本の民主主義化はいつなのか気になったので疑問を書き込み、調べて、「第二次世界大戦後」と加えた
このように、作業のあいだに思いついた知識、いまひとつ理解できなかった内容、講義のあいだに抱いた疑問点などを自由に書き込んでいくわけです。
情報の書き出しが終わったら、実際にチャンク化のフェーズに移りましょう。ノートに書き込んだ内容を見ながら、次の質問を自分に投げかけてみてください。
● 書き出した情報は、お互いにどう関係しているだろうか?
● 書き出した情報に共通するポイントはないだろうか?
これらの質問は、有名な教育学者であるパトリシア・クロスが考案した「CAT法」の考え方をノート術に応用したものです。「CAT法」とは、規定の質問を使って学生の理解力を高めるテクニックの総称で、これまで行われた研究でも、生徒たちの成績が大幅に上がった事例が報告されています。
質問の答えを考え終わったら、あなたが「この情報は関係している」や「この情報は共通点がある」と判断した情報を、同じ色のペンで囲んでください。
例えば、「市民革命により絶対王政が倒され国民主権の考えが広まった」や「市民革命後、国民主権、権力分立が確立」といった情報は「民主主義の成り立ち」としてくくれますし、「民主主義=デモクラシーは古代ギリシア語の『人民の権力』が語源」や「国民が政治を決定する権利」は「語句の説明」としてくくれるでしょう。
このようにバラバラの情報を上位の概念でまとめ、情報のかたまり(=チャンク)を作っていくわけです。そうした作業が終わったら、同じ色で囲ったチャンク同士を線でつなぎましょう。これでチャンク化は完成です。
もしここでどのチャンクにもまとめられない情報があった場合は、円で囲まず、そのままにしておいてください。