グーグル、スマホ決済「pring」買収に透ける本気度

合従連衡にデジタル給与、激変続く決済勢力図

現在は銀行口座やカードからアプリにチャージし、店舗やネットでの決済、他者への送金ができるほか、支払い履歴を集約し支出管理も行える。提携する小売りチェーンや飲食店ではアプリ利用者限定の割引も展開する。グーグルマップ上で調べた駐車場の料金や交通機関の切符の代金も、アプリの残高から支払えるようになった。

さらに今年からは米金融大手シティや現地の地方銀行などと提携し、グーグルペイアプリから直接銀行口座を開設できるサービスも開始。今年中には米国のユーザーが200以上の国に国外送金できるようにする。

「グーグルのアンドロイド(スマホOS)やクローム(ブラウザ)に直接お金をチャージして、EC(ネット通販)などでカード情報の入力なしに買えるようにするくらいのことは簡単にできるはず」。マネーフォワード執行役員の瀧俊雄フィンテック研究所長は、グーグルが目指す世界についてそう予想する。

ここで得られるユーザーの購買情報は、グーグルの主力である広告事業の拡大を考えれば重要だ。グーグルは「個人の決済データを第三者に販売したり、取引履歴を広告ターゲティングのためにグーグルの他部門と共有したりしない」とするが、自社の膨大な購買情報をテコに広告事業を伸ばす米アマゾンへの対抗心は強いはずだ。

100億円以上投じることへの「疑問」

現在グーグルペイで送金機能が利用可能なのは米国とインドの2カ国のみだ。プリンが持つ送金のインフラを活用すれば、日本は送金機能が利用できる3つめの国となる。実現すれば利用場面は大きく広がる。

もっとも、国内の複数のフィンテック企業関係者は「グーグルがプリンを100億円以上もかけて買収する狙いは見えづらい」と指摘する。

確かにプリンは資金移動業者として登録し、3メガバンクなど全国53行と口座振り替え契約を締結済み。グーグルが日本でも米国と同様に口座からのチャージや口座開設サービスを展開したいならプリンのネットワークを活用できる。が、前出の瀧氏は「業者登録や銀行との契約だけであれば数億円程度でできてしまう」と指摘する。

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