グーグル、スマホ決済「pring」買収に透ける本気度 合従連衡にデジタル給与、激変続く決済勢力図
日本のスマホ決済市場はすでに過当競争の末、合従連衡が始まっている。
2020年1月にはスマホ決済「メルペイ」を展開するフリマアプリのメルカリが、経営不振だったベンチャーのオリガミを買収。今年3月に完了したヤフーとLINEの経営統合を受け、両社系の「PayPay(ペイペイ)」と「LINE Pay」も2022年度をメドにサービスを統合する方針だ。
ユーザーを囲い込むためのポイント還元競争も熾烈だ。QRコード決済で最多のユーザーを抱えるペイペイは、2021年3月期に726億円の営業赤字を計上。今秋からは盤石なユーザー基盤を背景に加盟店手数料の徴収を本格化し、収益化を急ぐ。
各社が期待寄せる「デジタル給与」解禁
ペイペイなどスマホ決済を展開する資金移動業者にとって今後大きな転機となりうるのが、政府内で議論が進む「デジタル給与」の解禁だ。
これは、会社からの給与の支払先を従来のように銀行口座だけではなく、スマホ決済アプリに指定できるようにするもの。解禁時期はまだ不透明だが、各アプリ事業者は決済やそのほかのサービスの利用頻度向上に大きな期待を込める。
グーグルが今回のプリン買収を機に、前述のような金融系の各種機能を日本で一気に広げるとなれば、国内各社の強敵となるかもしれない。ただ現在日本国内では、グーグルペイのアプリはスマホOS「アンドロイド」上でしか使えない。日本でシェアの高いiPhoneやiPadではアップル独自の「アップルペイ」アプリが搭載されており、展開のハードルは高い。
プリンという一ローカル企業の買収でもふんだんな資金力を見せつけたグーグル。相対する日本勢はそのポジションを守れるか。
LINEヤフーの株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら