9.11の反省からCIAが「人材の多様化」進めた意味 悲劇を繰り返さないよう求められた組織の変革
CIAが「9.11の反省」から変わったこと
9.11のあとしばらくして、CIAは自分たちが致命的な画一的集団であることにやっと気づき始めた。その兆候は、アフリカ系アメリカ人のムスリム、ヤヤ・ファヌーシを職員に採用したことからもわかる。ファヌーシはアメリカの西海岸で生まれ、カリフォルニア大学バークレー校で経済学を専攻し、その後フルブライト奨学金を得てコロンビア大学大学院を修了した。イスラム教に改宗したのは20代前半で、現在も敬虔な信者だ。私はある春の朝、ファヌーシに取材を行った。CIAでの体験について、彼はこんなことを話してくれた。
2005年にCIAに入った当時は、テロ対策ではなく経済分析を担当していました。経済学のバックグラウンドがあったので当然と言えば当然でしょう。ムスリムだからテロ対策、と単純にはいきません。しかしそのうち私ならではの貢献ができるのではないかと思い始めました。それで7月7日のロンドン同時爆破事件のあと、アルカイダのテロ対策に関わる部署に異動したいと申し出たんです。


















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