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日本を滅ぼす「企業の少子高齢化」という大問題 「起業の天才!」著者が語る「起業という希望」

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――リクルート出身の人はさまざまな分野で活躍していますが、その秘密は何でしょう。

大西:さっきもお話ししたように、江副氏の「君はどうしたいの?」という言葉が、そのまま企業風土につながっています。

江副氏は誰かが仕事の愚痴を言っているのを耳にすると、「じゃ、君ならそれどうする?」と問いかけ、「自分だったら、こうします。こうしたら、こうなるじゃないですか」という答えを引き出す。

そうしたら、すかさず「じゃ、それ君やって。予算つけるから、君がリーダーでいいよ」と言い渡していたそうです。いきなり言われてびっくりした相手が、「えっ、でも自分まだ20代だし……」と固辞しそうになると、「いやいや、そんなこといいから」と納得させてしまうのだそうです。

こうすることで、愚痴を言っていた社員を「ただの批評家」から「当事者」に変えて、戦力化していたのです。これは江副マジックと呼んでもいい、すごい人材活用術です。

こうやって指名を受けた人には、予算を出す代わりに、収益責任も課していたそうです。問題解決ができても、莫大にお金がかかってしまうようでは意味がないし、いつまでも成果が出ないのもダメ。

だから、問題を見つけたら「それをどうやって、いつまでに、どれだけのパワーを投入して解決するか」を考える癖が自然につく。これがリクルートという会社の風土を作り、今も息づいているのです。

言われたことをやったかやらないかで評価される風土で育った人と、「君どうしたいの」「君それやって」と言われて育った人では、5年も経てば戦闘力にものすごい差がつきます。どの組織に行っても、課題を見つけて、適正な予算をつけて、人材を配し、予定通りの時期までに問題を解決できるので、元リクルートの人は「使える」という評価を獲得しているのです。

「起業=希望」という世界の常識

――起業を目指している人に伝えたいことはありますか?

大西:私は、起業とは希望だと思っています。冒頭申し上げたとおり、日本は企業が極端に少ない、つまり希望も少ないのです。

希望は不確定だから、当たりもすれば外れることもあります。でも、日本人には異常にリスクを嫌う傾向があります。だから株などへの投資をする人が少なく、ゼロ金利でも目減りがしない預貯金にお金を置きっぱなしにしたりするのです。

起業というのは新しいことを始めるので、当然リスクが伴います。このことも、日本で起業が起きにくいことに強く関係しているように思います。まず、このマインドを見直すことが重要でしょう。

あと、これもすでに述べましたが、日本では起業はいかがわしいもの、怪しいものととらえられがちです。しかし、アメリカの例を見るまでもなく、起業自体がいかがわしいというのは、リクルート事件のときに作られた幻想でしかありません。ぜひ、これから起業する人には、いかがわしさや怪しさを乗り越えていただきたいと思います。

――本日は、どうもありがとうございました。

(構成:小関敦之)

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