日本を滅ぼす「企業の少子高齢化」という大問題 「起業の天才!」著者が語る「起業という希望」

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日本では、人間だけでなく「企業の少子高齢化」も進んでいるといいます(画像:KazuA/PIXTA)
リクルート創業者・江副浩正の軌跡を描いた『起業の天才!』が、第43回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」の最終候補にノミネートされた。
戦後最大の企業犯罪「リクルート事件の主犯」として人々に記憶され、そして忘れ去られようとしている江副浩正を、なぜ今取り上げようと思ったのか。令和の時代に、日本人が江副浩正、そしてリクルートから学ぶべきこととは何か。
それを明らかにするトークイベント、「著者が語る『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』」(代官山 蔦屋書店主催)が開催された。登壇者は『起業の天才!』著者の大西康之氏、同書の企画・編集を担当した加藤晴之氏。聞き手は代官山 蔦屋書店の吉見侑悦氏と宮台由美子氏。
本記事では、イベントの模様をダイジェストでお届けする(フルバージョンは代官山ブックトラックのサイトでご視聴いただけます)。

日本を襲う「もう1つの少子高齢化」とは

――リクルート創業者、江副浩正の軌跡を描いた『起業の天才!』が大ヒットしています。しかし江副浩正氏は、三十数年前に起こった戦後最大の疑獄事件、リクルート事件の首謀者として逮捕されて以来、表舞台に出ることはなく、世の中ではほとんど忘れ去られた存在となっていました。なぜ今このタイミングで、江副氏にフォーカスした本を書こうと思われたのでしょうか?

『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』は、5万部のベストセラーになっている(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

大西:現在の日本では、東芝をはじめ、いま50代の私たちが学生のころ憧れていた企業が軒並み息切れしている状態です。一方アメリカを見ると、GAFAと呼ばれる20年前には存在もしていなかった会社が出てきて、ガンガン経済を引っ張っています。

日本を見ると、トップ企業と言われる会社は、私たちが就活をしたころとほとんど変わっていません。なぜなら、失われた30年だった平成の時代、日本ではめぼしい新しい企業が生まれることもなく、経済もまったく成長しなかったからです。

なぜ、そうなってしまったのか。それを考えると、企業の代謝が極端に少ないという現実に思い当たりました。つまり年寄りの会社ばかりになってしまっているのです。

恐ろしいことに、日本ではいまだにソニーやホンダが「若い会社」と扱われることがあります。そして、ソニーなどにGAFAと対抗することが期待されていたりもします。これって、往年の演歌歌手にミニスカートをはいてAKB48を踊れというのと同じで、無理なんです。企業にも年齢はありますから。

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