なぜこうした問題を何度も繰り返すのか。これには、法律が求めている規制がほとんど有効に行われないことが深く関係している。当局が法を執行する際に自分たちの価値判断(しばしば賄賂や接待などの利害関係)に基づいて「選択的」に取り締まりを行ったり、行わなかったりしているからだ。
日本人が中国の食品から身を守るすべは?
今回の上海福喜の不正についても、業界ではかなり前からうわさに上っていたと言われている。だが、上海市の食品検査当局が動くことはなく、不正が判明した途端にまるでアリバイ作りのように慌てて動きだすのは、過去の食品不正のときも何度も繰り返された光景だ。
今、中国人は自国産の粉ミルクを買おうとせず、できるだけ香港や日本の粉ミルクを手に入れようとしているなど、中国の食品から自分の身を守ることを考えている。日本はその中国から大量の食材を日々輸入し、食べ続けている。タケノコやウナギやハチミツ、そば粉など、われわれの日々の食事に欠かせないものの大半が中国産。日本人は食品でも「脱中国」を目指すべきか、あるいは、より徹底した監視体制を組むのか。
日本人も自らが身を守ることを真剣に考える段階にあることが、米国系すら「不正」の温床にはまってしまった今回の事件によって、あらためて印象づけられたと言えるだろう。
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