ナイロビ新幹線を中国企業が受注した驚愕の理由 中国の対アフリカ輸出額10兆円、居住者100万人

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ちなみにナイロビ新幹線は現在、ナイロビとモンバサ間470kmを運行しています。東京から京都くらいの距離ですが、乗車賃は、普通車約800円(開業特別価格)、一等車が約3300円。5年間、中国の会社が運営して、ローカル企業に手渡すことになっています。私も開業後すぐに乗りました。満員でしたが、とても快適でした。

「儲かるから」「そこにビジネスがあるから」

中国は、インフラ工事などを行うとき、一部労働者も含めて送り込んでいることは有名です。ただ、ナイロビなどの工事現場をみると、大半はローカルの労働者で、現場監督や重機の運転を中国人がやっています。

ちなみに、正確な統計はありませんが、約100万人もの中国人が、アフリカにいると言われています。

最初は、エネルギー開発・インフラ開発から始まりましたが、次にトレーディング(貿易取引)、小売り・不動産・製造業など、通常の商売の人たちが進出してきました。それに合わせて、その人たちのための飲食店やサービス業が大挙して進出してきているというイメージです。強制で来ている人はわずかで、「儲かるから」「そこにビジネスがあるから」という理由で普通にアフリカに来ています。

知り合いの中国人で、数名の仲間と一緒にコンゴで金の採掘権を得て、実際に採掘し、大儲けした人もいます。

アフリカ人にとっては、お金を出してくれる人は原則ウェルカムです。中国のイメージは「最近になって急激に成長した」「見習いたい」というもののようです。

中国もそれをアフリカで強くアピールしています。「経済発展の仕方を教えます」と、各国の政府にアドバイザー的な人材を送り込んでいます。「アフリカも中国のように発展したい」という感覚は多くのアフリカの国であると思います。

東アジアからは推定100万人の中国人、次に多いのが韓国人の約1万8000万人。日本人は約7500人(新型コロナ流行前、外務省統計)です。中国人は日本人の約100倍いますから、どこに行っても私は「ニーハオ」と話しかけられます。

アフリカ人にしてみれば、違いは全くわからないでしょう。私が「ノー」と答えると、次は「アニョハセヨ」と返ってきます。これも仕方がないでしょう。

一方でアフリカ人は、日本とは歴史的なわだかまりが全くありませんから、日本人をとてもウェルカムしてくれます。トヨタやソニーなどの日本ブランドはとても浸透しています。ただ、彼らは日本人にほとんど会ったことがない。

近年、国ベースで考えると、やはり中国の存在感は大きい。インフラ投資から、政府へのアドバイザー派遣、商工会議所、ビジネスセンター、大学や病院、農業学校、チャイナタウンなども中国資本でどんどんできています。

もちろん、貿易でも中国がナンバーワンになっていますが、FDI(海外直接投資)の累積ベースだと、イギリス、フランス、アメリカもまだまだ大きなプレゼンスがあります。日本も、一貫してJICAやODAで支援をしてきており、一定のプレゼンスはあります。

さらにトヨタのような、いい商品としての認識や、ハイテクな国というイメージもあります。それらを活かしながら、活躍する日本企業と日本人が増えてくることを心から期待しています。

椿 進 AAIC代表パートナー

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つばき すすむ / Susumu Tsubaki

Asia Africa Investment and Consulting(AAIC)代表パートナーを務めるアジア・アフリカビジネスのスペシャリスト。東京大学教養学部卒業。ボストン コンサルティング グループ(BCG)のパートナー・マネージングダイレクターとして、事業戦略、M&A戦略のプロジェクトを実施。2008年に現AAICを創業し、代表パートナーに就任。中国・東南アジア・インド・中東・アフリカ等で、新規事業育成、市場参入支援等をコンサルティングと投資を通じて実施。日本初のアフリカ・ファンドも運用。ルワンダではマカデミアナッツ農園も手がけている。執筆、講演多数。ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学大学院教授として後進の育成にも力を注いでいる。

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