日本がコロナの「マイナス影響」最も受けない根拠 10年後には世界のリーダーになっている可能性

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コロナ禍を経て、10年後の日本はどうなっているのか。少なくとも2つの大きな変化があると著者は予測する(写真:J6HQL/PIXTA)
2030年には、世界規模で人口構成・産業・テクノロジーに大きな変化が訪れると言われている。特に人口構成については、高齢化と人口減少は世界的な傾向であり、各国は労働力不足に悩まされることが予想される。日本は世界に先駆けて高齢社会の道を歩んでいるが、さらにその先の10年後にはどのような未来が待ち受けているのだろうか。
ビジネスの名門、ウォートン・スクール教授であるマウロ・ギレン氏は、著書『2030:世界の大変化を「水平思考」で展望する』の中で、高齢社会だからこそ実現できる新たな働き方や経済形態があると説く。そこには日本経済復活の秘訣があると述べるが、それは何か。

新型コロナは既存動向を加速させる

歴史的に見て、経済危機とパンデミック(世界的な感染拡大)は既存の動向を鈍化させることが多かった。さらには逆転させたケースもある。新型コロナウイルス感染症はその例には当てはまらない。なぜなら、パンデミック以前の動向をたいてい加速させているからだ。

高齢化を考えてみればいい。パンデミックとそれに伴う景気後退によって、若い男女が子どもを持つことを先送りするようになり、人口ピラミッドの高齢世代が徐々に膨らんでいく。

また、パンデミックは東アジアの新興市場国の台頭を加速させた。というのも感染者数、入院患者数、犠牲者数のどれをとっても、世界のほかの地域、とりわけ欧州とアメリカよりも少ないからだ。

さらにパンデミックは、技術を使って働き、学び、買い物をし、楽しむ傾向を強めた。その結果、『2030』で分析した人口動態的、経済的、技術的な動向は加速し、『2030』で描いた2030年の世界はより早く到来する。

自称専門家たちによれば、パンデミックは小売りを消滅させ、通勤や通学を終わらせ、グローバリゼーションの逆転をもたらすという。コロナ危機の傷痕は生涯、そしてその先まで消えないだろうというのが私の考えだが、さまざまなデータが揃うまでは多くの転換を大袈裟に取り上げたり、唱えたりしないことが重要だ。

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