たった一晩の睡眠不足を甘く見てはいけない理由 ぐっすり眠れていないと体と心に影響を及ぼす

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もちろん、最善の解決策は、ただよく眠ること。

睡眠が足りていると、幸せを感じ、ストレスに強くなる。なんとなく理解できる話だが、そればかりでなく、十分な睡眠は人間的な魅力をも高めてくれるようだ。逆にいえば、睡眠不足はコミュニケーションにも影響を与えるということだ。

カリフォルニア大学の神経科学及び心理学部教授のマシュー・ウォーカーは、睡眠負債(毎日の睡眠不足の積み重なり)が社交生活に及ぼす影響について研究している。
ウォーカーによれば、睡眠不足が蓄積すると人づきあいを避けるようになるという。それだけではない。引きこもりのような効果を生み、人づきあいを避けたがっているというシグナルを周囲の人間に送ってしまい、周囲があなたとのつきあいを躊躇してしまうのだ。(251ページより)

社交生活を円滑にするため、アルコールの力を借りる人も多いが、まずは基本的な事柄、すなわち睡眠の質を改善することこそが大切なのだ。

ぐっすり眠るための秘訣とは

だとすれば気になるのは、どれくらいの睡眠時間が必要なのかということである。

この点についてルガヴェア氏は「一般的に、成人の場合は7~8時間、10代であれば9~10時間が望ましい」と記しているが、いずれにしても睡眠の長さは重要。

なぜなら私たちは、入眠後の時間帯によって2つの異なる睡眠状態を体験するからだ。これはよく知られた話だが、まず入眠直後には深いノンレム睡眠が訪れ、大脳が休息する。そして、その後に訪れるレム睡眠では、記憶を定着させ、思考を整理するのだ。

したがって、ぐっすり眠り、朝は自然に目覚めるのがベスト。

睡眠の質について言えば、大切なのは午前中に明るい光を浴びることだ。太陽の光が望ましいが、照度が充分にあれば人工的な照明でも効果がある。明るい光を浴びれば、睡眠ホルモンのメラトニンが1日の早い時間に産生されるだけでなく、夜、眠りにつきやすくなる。(252ページより)

寝室は涼しくして約18℃を保ち、暗くすることが大切。目覚まし時計の表示などの、どんな小さな光でもまぶたを通して入ってくるため、睡眠の質が低下し、翌日の認知機能が妨げられてしまうからだという。

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