たった一晩の睡眠不足を甘く見てはいけない理由 ぐっすり眠れていないと体と心に影響を及ぼす
だが、そうした影響は避けられるものでもあり、元に戻すことも可能。つまり、睡眠の質を向上させればいいわけである。
メンタルヘルスの面から睡眠を考える
ルガヴェア氏は、年齢に関係なく、睡眠の重要性をメンタルヘルスの面から考えてほしいと訴えている。
現代では心の問題に苦しんでいる人は少なくないが、成人の6人にひとりは薬で対処しようとし、しかも多くの人が長期にわたって服用する。問題は、睡眠障害がほぼすべての精神疾患に影響を及ぼすということだ。長引くうつ病の原因は睡眠障害にある、と結論づける研究結果も増えてきたという。
睡眠が足りているときには、前頭前皮質の“理性の声”が扁桃体の働きを抑制する。前頭前皮質がその抑制効果を解除するのは、本当に危機が訪れたときのみ。ところが睡眠不足になると、その仕組みが機能しなくなるのだそうだ。
過敏な扁桃体は、ささいな出来事でも大きなストレス要因と捉える。驚くべきは、たった一晩睡眠不足だっただけで、扁桃体が約60%も反応しやすくなるというルガヴェア氏の指摘だ。たとえば睡眠不足のときにイライラするのも、それが理由であるようだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら