増加する主婦の自殺、「家庭に逃げ場がない」の声 “同居あり女性"の自殺が増加する背景

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限界を超えてなお我慢をしていると、つらい状況にマヒしてしまい、無力感、絶望感、孤立感に支配されてしまう。“自分はこの世に必要とされていない”という気持ちが膨らみかねない。つらいときは、次に紹介する方法を試してみてほしい。

つらいときは試してみて!

【ひとりの時間をつくる】

「散歩をしたり、密を避けてショッピングをしたり。人間は誰かと過ごす時間も大切ですが、同様に、ひとりで過ごす時間も必要です」

【身体を動かす】

「心と身体は連動しています。心が凝り固まっているときは、まず身体からアプローチを」

気持ちが落ちているときほど、軽い体操やストレッチをしたり、マッサージに行くなどを意識的にやってみて。

「気分転換にもなるし、心も次第にほぐれていきます」

【悲しさや腹立ちなどの思いを誰かに話す】

心の内を話すことはカタルシス効果といい、浄化作用がある。

「友人や親、姉妹など、誰かに聞いてもらえると、心はぐっと軽くなります」

【“リセット時間”を持つ】

「憂うつな時間を引きずって1日を過ごすのではなく、1日1回は気持ちを切り替える時間を持ってほしいです」

趣味があれば、それに没頭する時間を大切に。好きなドラマやコンサート映像などを見て、違う世界に意識を向けても。また、香りを楽しむのもおすすめ。

「香りは感情と記憶に直結している感覚器官。気分転換に非常に効果的です」

コーヒーを豆からひいたり、アロマをたいてみたり……。

「リセット時間は1日に何度あってもOK。小まめに数回あるといいですね」

思い詰めてしまう女性は、まじめで頑張り屋さんが多い。

「自分だけの時間、ボーッとする時間を持つことに罪悪感を持たないで。その余白があるから、人はまた頑張れるのです」

家事も子育ても、仕事もこなし、すべてを担うことは不可能。手を抜くことも、必要不可欠なのだ。

(取材・文/樫野早苗)

お話を伺ったのは……
大野萌子さん(おおの・もえこ)
/心理カウンセラー、一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表取締役理事。生きやすい人間関係を創るメンタルアップマネージャー。『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』ほか著書多数。
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