増加する主婦の自殺、「家庭に逃げ場がない」の声 “同居あり女性"の自殺が増加する背景
第2は、女性が持つ役割の多さによる。
「母の役割、妻の役割、家事など生活全般を担う役割、実母や義母に対して子どもとしての役割……家族を持つ女性は役割がとても多い。やるべきことや気がかりなことが山積みで、つねになんとかバランスをとっている状態です」
コロナ禍でどこか1カ所に負荷がかかると、たちまちバランスが崩れ、連鎖的にすべてが回らなくなってしまいがち。
「一気に、全部つらい、という気持ちに陥ってしまうのです」
最後は、収入が少ないことへの引け目。
「例えばコロナ禍でパート収入が減った場合、うしろめたさを感じる人が多いです」
夫から「仕事もしていないんだから、家事くらいちゃんとしろ」などと心ない言葉をかけられでもすれば、反発もできず、すべて真に受けてしまいやすい。
「自分のふがいなさや、家事をきちんとやらない自分が悪いなどと感じ、自分を追い詰めてしまうのです」
リセット時間を持つことが大事
コロナ禍前であれば、気分転換にちょっとウインドーショッピングを楽しんだり、ママ友に夫のグチを言うなどして、ストレスを発散できた。けれども現在は、家族が家にいることが多く、ひとりの時間が激減。
「行動が制限され、ストレスも吐き出せず、精神的な閉塞感が募りやすいと思われます」
つらい、苦しい、悲しい、死にたい……そんな感情を少しでも抱いたら、押し殺さずに「今、自分は追い詰められている……と早めに自覚して、気づいてほしい」と大野さん。