会社の雰囲気を悪くする「おっさん」の3パターン 部下に価値観を押しつけ、女性差別に無自覚

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

女性が社会や仕事で活躍するために必要なことは、本質的に男性と変わりません。マーケットに対してバリューを生み出すことであったり、「外のものさし」を持って自分の立ち位置を考え、キャリアを形成していったりするという点は同じなのですから。

ただ、特に日本において、男女差が顕著に影響するのがライフイベントの差かもしれません。たとえば、出産というイベントは女性と男性ではどうしても意味合いが異なりますよね。ほかにも、身体的な差があるゆえに女性にはどうしても男性と同じように振る舞えないときがあります。

しかしながら、そんなことをまったく理解できない「おっさん」たちが支配する社会で、女性はパフォーマンスを出さなければいけない。つまり、女性はそもそも最初からものすごく不利な状況に追い込まれていると見ることができます。

「女性の社会進出」や「女性の活躍」というキーワードに対して、斜に構えて心ない言葉を発する「おっさん」たちが、世の中には満ちあふれています。そして、その「おっさん」たちが行うちょっとずつの邪魔の積み重ねが、女性の道を阻んでいることを僕たちはしっかりと意識しなくてはなりません。

たとえるなら、女性が渡ろうとしている橋をすべて壊すほどの力はないくせに、邪魔なところに自転車を止めてみたり、バナナの皮を落としてみたりということをしているのが、意識の低い「おっさん」たちの行動。そしてほとんどの場合、それらは無自覚に行われているのです。

成功体験のないおっさんほど威張る

まず、僕が若い世代の人にお伝えしたいのは、無意味なルールや慣例、前例、過去の価値観などによる「同調圧力」には、まったく価値がないということです。

「おっさん」たちは、じつは僕たちが参考にできる成功体験を持っているとは限りません。なぜなら、日本のピークは約30年前に終わっているわけですから。そして、当時のビジネスの考え方やそのころにできたルールや慣例も、状況があまりにも変わったため、いまの時代にはほとんど参考にならないのです。

そして、できるならそれに対して声をあげてほしい。

その価値観に同調できないと思ったら、すぐにその場から逃げることもおおいにありです。他者を変えることはかなり大変です。「おっさん」たちを変えることに貴重な時間を割くくらいなら、自分の立ち位置を変えていくことも良い選択肢になるでしょう。

「それは間違っている」「それはおかしい」と感じることについて、しっかりと言語化し、社会に伝えていく習慣をつくらなければ、社会は変わりません。ぜひそうした行動をどんどんしてください。

場合によっては、風あたりが強くなるかもしれません。でも、そのほうが間違いなく人生は面白いにちがいない。なぜなら、

風あたりが強くなる=最前線にいる

ということだからです。

最前線にいる人には、後ろのほうにいる人には見えない風景が見え続けます。これは人生のすべてにあてはまる法則です。本書が、「あたりまえ」に違和感を抱いて具体的な行動につながるようなきっかけになれたら、とてもうれしく思います。

僕たちは時代の最前線で、面白い風景を見続けましょう。

澤 円 圓窓代表取締役

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

さわ まどか / Madoka Sawa

元日本マイクロソフト業務執行役員。立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年日本マイクロソフト入社、2006年にマネジメントに職掌転換。幅広いテクノロジー領域の啓蒙活動を行うのと並行して、サイバー犯罪対応チームの日本サテライト責任者を兼任。2020年8月末に退社。2019年10月10日より、圓窓代表取締役就任。2021年2月より日立製作所Lumada Innovation Evangelist就任。琉球大学、武蔵野大学にて客員教員を務める。著書に『個人力』『「疑う」からはじめる。』他。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事