会社の雰囲気を悪くする「おっさん」の3パターン 部下に価値観を押しつけ、女性差別に無自覚
そのポーズを取ることはメジャーリーグでもNGでしょう。でも、それは相手に対するリスペクトの観点からであり、おおいに理解できます。しかし、「高校生らしくない」というのは、強烈な押しつけだと思ってしまうのです。いろいろな意見があって然るべきですが、僕は高野連とは一生わかり合えないなと感じたのでした。
このように、世の中には特に明文化されていないようなルールや慣例を押しつけることを信奉する「おっさん」たちが、本当にたくさんいます。
僕自身、「おっさん」マインドを持つ人たちとの戦いを何度も経験しました。僕が、いちプログラマーとしてキャリアをスタートさせたのは、ある生命保険会社のIT子会社でした。
その会社でいまでもよく覚えているのは、MDウォークマン(ちょっと懐かしい名称ですね)にまつわるとある事件。僕はあるとき、イヤホンを耳につけず、MDウォークマンをただ机の上に置いて仕事をしていました。すると、上司がこんなことを言ったのです。
「仕事に関係ないものを机の上に置くんじゃない」
一瞬、意味がわかりませんでした。机の上にあるウォークマンと、引き出しに入っているウォークマン。科学的にどんなちがいがあるというのでしょうか。僕は素直に訊ねました。
「理由はなんですか?」
「仕事に関係ないからだ」
「だから、机の上にあることでどんな影響があるのですか?」
「黙れ、ダメなものはダメだ、しまえ」
要は、論理的な説明はなにもできないということです。僕からすれば、部下の時間を奪って無用にイライラさせている時点でチームのパフォーマンスを下げており、マネージャーとしては完全に失格です。
スポーツ界でもビジネスの現場でも同調圧力がはびこっている
たしかに、当時の僕は生意気な若者だったと思います。ですが、最終的に「おまえは年上に対する口の利き方がなってない」と言われて、僕はもう時間の無駄だとあきらめました。
これは、先の高野連とまったく同じ構図です。「若手は若手らしく上の者の言うことを聞け」。そういう意味を持った、同調圧力なのです。こんなことが重なり、僕はその会社をやめることに決めたのでした。
スポーツ界もビジネスの世界も、パワハラやセクハラが横行し、「おっさん」たちの狭い価値観にまみれている世界だということがバレはじめています。
そして、いま会社でなんらかのビジネスの決定をするような立場にいる人たちに、このような「おっさん」がとても多い可能性があると僕は見ています。
「おっさん」たちの無自覚な言動にもっとも影響を受けているのが、世の中の半数を占める女性たちです。
みなさんの職場に、女性の役員はいますか?
日本の一般的な会社では、たいていの場合、男性が圧倒的多数を占めています。2020年3月期決算の上場企業2240社における女性役員の割合は、役員全体のわずか6%にとどまっており、約5割の企業では女性役員ゼロという状態だそうです(東京商工リサーチ調べ)。
アメリカのNPO「カタリスト」の調査では、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域20カ国の主要企業1500社で比較しても、日本はぶっちぎりで最下位。
これって、どう考えても異常なことだと思いませんか。
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