6月25日、中国四川省の省都の成都とチベット自治区の区都のラサを結ぶ「川蔵鉄道」の1区間となる「拉林鉄道」(ラサ─ニンティ間)が営業運転を開始した。これはチベット自治区の東南部に開通した初の鉄道路線だ。全長は435.48キロメートル、設計上の最高運行速度は時速160キロメートルで、ラサ─ニンティ間を最短3時間29分で結ぶ。
当初は準高速型の新型特急車両がラサ─ニンティ間を3往復、シガツェ─ニンティ間を1往復、在来型の特急車両がラサ─ニンティ間を1往復する。運賃は、ラサ─ニンティ間でビジネスクラスが452元(約7738円)、1等席が206元(約3526円)、2等席が129元(約2208円)だ。
川蔵鉄道は3つの区間に分けて工事が進んでいる。拉林鉄道はその2番目の着工区間として、2015年から建設が始まった。青蔵高原のガンディセ山脈とヒマラヤ山脈の峡谷に沿って敷設され、総投資額は366億元(約6266億円)に上る。全線の90%以上が海抜3000メートル以上に位置しており、並行して流れるヤルツァンポ川の両岸を16回も行き来しながら運行する。
川蔵鉄道は青海省の省都の西寧とラサを結ぶ「青蔵鉄道」に続いて、チベット自治区に乗り入れた2本目の幹線鉄道だ。拉林鉄道以外の2区間は、成都─雅安間の「成雅鉄道」、雅安─ニンティ間の「雅林鉄道」である。
川蔵鉄道は全線の3分の1が開通
拉林鉄道の営業開始により、川蔵鉄道は2018年完成の成雅鉄道を含めて全線の約3分の1が開通した。残る雅林鉄道も2020年末から建設が始まっている。雅林鉄道は全長が1011キロメートルと3区間の中で最長であり、建設の難易度も高い。設計上の最高運行速度は時速120~200キロメートルを予定し、総投資額は3198億元(約5兆4750億円)に達する見込みだ。
雅林鉄道の建設現場は地質条件が非常に複雑であり、全線の95.6%に橋梁とトンネルの整備が必要となる。このため完成まで10年程度かかると予想され、現時点での竣工予定日は2030年10月31日となっている。
(財新記者:白宇潔)
※原文の配信は6月25日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら