20代、30代で2度の婚約破棄を経験
淑恵(仮名、54歳)が、入会面談にやってきたのは、昨年の緊急事態宣言が明けて、6月に入ってのことだった。小柄のスリムな体型にふんわりと巻かれたロングヘア、モノトーンのおしゃれな服をまとい、年齢よりもずいぶんと若く見えた。
聞けば、1年前に離婚をしたという。相手は、やはり結婚相談所で出会って結婚した1つ上の男性だった。
「結婚生活は、10カ月でした。そのときが、人生で初めての結婚でした」
50歳での結婚は、晩婚だ。とはいえ、それまでには、2度ほど結婚を考えた男性がいたという。
「1回目は、20代後半のときです。3年ほどアメリカで生活をしていたので、そのときに婚約したアメリカ人でした。日本で暮らすことになったので、私が先に帰国。ところが、遠距離になったら、“言葉もわからないし、日本で暮らすのはやっぱり無理だ “と、婚約を一方的に解消されました」
2回目は、30代後半のときだ。
「彼の実家が、家族で会社を経営していたのですが、結婚の準備を少しずつ始めていたときに、倒産をした。多額の借金を背負うことになって、彼から、『こんな状態では、結婚できない。時期を見たい』と言われました。私は支えていくつもりだったので、その後も連絡は取り合っていたのですが、彼は借金返済に追われて精神的余裕がなくなっていた。『一緒にいることが、つらい』と言われて、徐々に疎遠になっていき、結婚の約束も自然消滅的になくなりました」
その後は、恋愛はするものの、結婚まで至るような関係になれる男性に巡り合うことはなく、歳を重ねてしまった。
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