「年収400万男性」との結婚が豊かで幸せなワケ お金に細かくてケチな「年収600万円」の元夫

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離婚してから間もなくコロナの話題が報道されるようになり、年が明けてからは、日本中に蔓延していった。4月には、1回目の緊急事態宣言が出され、1人でいることに寂しさを覚え、宣言明け後に、再び婚活をすることにした。入会面談に来た淑恵は、私に言った。

「前のときは、とにかく“結婚“というものを1度したくて、焦っていたんです。そして、結婚するなら、ある程度条件のそろっている人がいいと思っていた。年齢、年収にこだわって、いろいろな方にお会いしてみたけれど、実際お付き合いしてみると、持っている条件と人間性は別。それでも条件に目をやってお付き合いしたり、結婚したりしたんですね」

ところが、うまくいかなかった。元夫から一番学んだことは、お金の使い方だった。

「年収があって、貯金があるから豊かな生活ができるかというと、そうじゃないんです。銀行にいくらお金があっても、それを使おうとしなけれは、それはないのと同じ。元夫は、自分のためにはお金が使えるけれど、人のためには使えない人だった。人にごちそうしたり、贈り物をしたりして、人が喜ぶ顔を見るのは、無駄遣いだと思っていた。お金があっても心は貧しい人だったんです」

条件にばかりこだわると、人間性を見る目が曇る

さらに、淑恵は続けた。

「今度の婚活は、焦らずにお相手を探そうと思います。前回は、条件にばかり目がいっていたけれど、そうではなくお人柄をしっかりと見て、人の喜ぶ顔を見るのが好きだったり、人のためにお金が使えたりする相手を探そうと思います」

こうして婚活をスタートさせ、10カ月目に出会ったのが、知久(仮名、57歳)だった。バツイチで、年収は400万円だったが、別れた妻はすでに再婚しており、28歳の1人娘は嫁いでいた。今住んでいる分譲マンションのローンも払い終えており、貯金もそれなりにあって、淑恵が働けば2人で十分に暮らしていけた。

「知久さんは、お父さまがすでに亡くなっていて、お母さまが1人で暮らしていた。結婚の話が出始めたときに、彼が言ったんです。『これから、僕らの親も年老いていくから、大切にしていかないといけないね。親が元気なうちに、みんなで旅行に行けたらいいよね』って。

家族ぐるみのお付き合いをしている友人たちもいるし、その人たちが私たちの結婚お祝い会を開いてくれるのを知ったときには、『僕らからも、何かお礼がしたいね』と言って、あれこれ考えていた。彼と出会ったことで、やさしさもお金も、人に与えたら、それがこちらにも返ってくる。巡り巡っているものなんだと、学びました」

そして、結婚を決めたときに、知久から言われたこんな言葉が心を打ったという。

「僕は、大きなお金は稼げないけれど、淑恵ちゃんが笑顔で生活できるように頑張るよ。楽しく暮らそうね」

40代、50代、60代ともなれば、人それぞれに、考え方や、生活習慣や、お金の使い方に、その人のルールが出来上がっている。この年齢になったら、人は変わらない。年収がよく、貯金があるから豊かな生活ができるかというと、そうではない。お金をどう使うか。お金に対する考え方や生活していくうえでのルールが似ている人と結婚したほうがいい。

お見合いは、条件ありきの婚活なのだが、条件ばかり見ていると、人柄を見落としてしまう。条件にこだわるよりも、まずは会ってみて、生活をしていくうえで何を大切にしているのか価値観のすり合わせをし、それが合う人と結婚する。それが幸せになれる結婚だ。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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