コロナ禍で「日本の正規雇用」33万人も増えた訳 統計が示す「コロナに強い」業種と地域とは?

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(写真:アン・デオール / PIXTA)

長引くコロナによって「日本の雇用環境」も厳しい状況が続いている。
厚生労働省は「コロナに起因する解雇者」が10万8121人(6月25日時点)に達したと発表した。また、帝国データバンクによると、コロナ関連倒産が2020年2月からの累計で1700社以上にのぼる。

しかし、コロナ禍の1年間における「雇用環境の変化」を3つの指標で読みとくと、意外な事実が浮かび上がった。

コロナ禍で「正規」雇用者の数は増えている

まずは「労働力調査」(総務省)から、雇用の実態をコロナ前後で比較しよう。

コロナ禍の1年間で労働市場はどう変化したか
  正規職員・従業員 非正規 完全失業者数
2019年度 3516万人 2163万人 162万人
2020年度 3549万人 2066万人 198万人

出所:労働力調査(総務省)基に筆者作成

コロナ禍の1年で完全失業者数が36万人増加した。「コロナ不況」の影響が顕著にあらわれている。就業者数の減少は宿泊業、飲食サービス業が37万人で最多。製造業は19万人減、卸売業、小売業が12万人減となっている。これまでも繰り返し報じられてきた失業の事実だが、人を相手にするサービス業への影響の深刻さを数字が示している。

そして非正規の職員・従業員は97万人減少しているが、これは明らかに業績悪化に伴う雇い止めなどの結果だろう。

意外なのは「正規」が33万人も増加した点である。完全失業者が198万人にのぼる一方で、なぜ、正規の職員・従業員が増えたのか。

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