コロナ禍で「日本の正規雇用」33万人も増えた訳 統計が示す「コロナに強い」業種と地域とは?
コロナによって正規雇用者の数が増加したことがわかったが、「賃金」はどのように変化したのだろうか。
都道府県別の賃金の状況を見てみよう。ここで用いるのは「零和2年 賃金構造基本統計調査」(厚労省)である。
なお、ここでいう「賃金」とは、毎年6月を基準とした給与額(残業代等を除く)を指す。
全国平均は30万7700円で、コロナ前の2019年の30万6000円よりも1700円(0.6%)アップした。都道府県別(男女計)の状況をみると、上位は次のとおり。
②神奈川県 33万5200円
③大阪府 32万 400円
④愛知県 31万4100円
⑤京都府 31万 800円
全国計を上回ったのはこの5都府県のみである。なお、2019年比でプラスとなったのは、この中では京都のみである。
下位は以下のとおり。
㊻岩手県 24万5900円
㊺秋田県 24万6700円
㊹宮崎県 24万8500円
㊸山形県 25万1900円
最も多い東京都と、最も少ない青森県では13万3100円もの開きがあり、その格差は1.55倍となっている。ただ、下位5県はいずれも2019年比で上昇。格差は若干だが縮小している。
東京の有効求人倍率はコロナで大きく低下
求人状況はどうなっているだろうか。2020年4月の全国平均は1.30倍だったが、2021年4月は1.09倍にまで低下した。都道府県別の状況も同じだが、21年4月の上位は下記のとおり。
② 岡山県 1.42
② 島根県 1.42
④ 富山県 1.38
⑤ 香川県 1.35
⑤ 石川県 1.35
⑤ 秋田県 1.35
有効求人倍率で見ると、地方が大健闘している。福井県は地場産業の眼鏡産業をはじめ繊維、電子・デバイスなど製造工場が多く、恒常的に有効求人倍率が高い県である。
一方、大都市への通勤者が多い周辺県の数値は概して低めだ。
㊻神奈川県 0.76
㊺千葉県 0.85
㊹滋賀県 0.91
㊸兵庫県 0.93
ちなみに東京都は1.14。全国平均を何とか上回ったが、前年の1.69に比べ大幅にダウンした。
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