次に、対人ストレスに強い人の特徴を3つご紹介したいと思います。
(1)「私は私、あなたはあなた」
「I’m OK, You’re OK(私は私、あなたはあなた)」ということを、感覚的に理解している方が多いです。余計なストレスを感じないためには、「自分の問題と相手の問題は別」と、割り切って考えられることが大切です。自分と相手の感情や行動を一緒にしないことが、ストレスから自分を守るコツともいえます。この感覚により適度な距離感が保たれ、相手と対等に関わることができるため、人間関係もスムーズに運びます。
(2)プロセスを楽しめる
ストレスに弱い人は、結果を重視して、最終的に思いどおりにならない場合に失敗と感じやすい傾向があります。例えば、資格試験に合格することだけが目的だと、不合格は、すべて失敗となってしまいます。
しかし、ストレスに強い人は、たとえ合格できなかったとしても知識が増えたことをプラスにとらえる傾向があります。学んでいく間に出会った仲間との交流を楽しんだり、有意義な経験ができたとポジティブに受け止めることができます。
このように結果だけにこだわらず、そのプロセスを楽しむようにすることで、ものごとを前向きに考えられるようになり、ストレスにも強くなります。また、自分のやりたいことが明確なのもストレスに強い人の特徴です。トラブルが起きても「なんとかしなくては」と焦るより、「どうしたら解決できるか」を優先して考えることができるのです。
(3)1人の時間を大切にできる
ストレスに強い人ほど、1人の時間を大切にします。誰かと一緒に過ごし、語り合う場があるのはカタルシス効果(心の浄化作用)を高めるには必要ですが、それと同じく、1人でいる時間は必須です。
ほかの人と過ごす時間は楽しい反面、なにかと気を使うもの。そんな環境から解放されて、誰ともつながらない自分だけの時間を意識的に持つことは心身のリフレッシュにつながり、心の疲れもリセットできます。1人の時間を大切にすることは、自分を大事にすることでもあります。自分自身としっかり向き合って自分の心が心地よい状態を保つことが、ストレスコントロールには最適です。
人との適度な距離感を保つことが重要
以上を踏まえると、ストレスに強い人の特徴は、「自分軸」がしっかりあることといえます。反対に、ストレスに弱い人は自分の気持ちよりも、人からどう思われるかという「他人軸」を必要以上に気にする傾向が見られます。「嫌われたくない」「よく思われたい」と思う気持ちが強く、相手の言葉や行動に傷つきやすくなるのです。例えば、何かに誘われたときに気が進まなくても、「断ったら悪いのでは」と思うのは「他人軸」。「自分軸」は、あくまでも「自分が行きたいかどうか」で判断します。
そして、何より大切なのは、人との適度な距離感を保つこと。ストレスに弱い人は、いつの間にか相手と近くなりすぎて、自分が消耗してしまいがちです。さらに、相手と距離が近くなることで、自分の思いどおりに動いてほしいという「依存」も強くなりがちですが、相手の気持ちはコントロールできません。そこにストレスを感じて、相手に対して攻撃的になってしまうことも少なくないのです。
人と上手な距離感を持つことは、自分の心にゆとりを持たせてくれます。ストレスに強い人の傾向を知ることで、疲れない心を手に入れる参考にしてください。
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