国土200平米!イギリス沖にある「自称国家」の正体 西川きよし・三村マサカズが公爵、英政府も黙認

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それにしても、なぜバールレ=ナッサウはこんな状態になってしまったのだろうか。

原因は中世の領土争い

歴史をさかのぼると、オランダとベルギーはスペインに支配されており、バールレの町はオランダのブレダの領主が統治していた。しかし12世紀末、ブラバント公爵という別の領主がバールレの町の領有を主張しはじめる。公爵いわく、このあたりは自分の先祖代々の土地だという。

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ブレダの領主は毎年少しずつ土地を返上するということで話をまとめたが、すべて返上する前にオランダとベルギーがスペインから独立をはたした。その結果、公爵所領の土地(ベルギー領)がオランダ領内に残され、バールレは飛び地だらけになってしまったのである。

後日、オランダとベルギーは領土交換などの方法で飛び地を解消しようと試みたこともある。しかし、オランダはプロテスタント、ベルギーはカトリックという宗教上の対立もあり、解消されずに終わった。

こうした経緯で、現在のバールレ=ナッサウは国境線が入り乱れる飛び地だらけの町になっているのである。

ライフサイエンス
らいふさいえんす

幅広いネットワークを生かして、国内外を問わずあらゆる情報を収集し、独自の切り口で書籍を制作する企画編集組織。スパイスのきいた視点には定評があり、生活に根づいた役立ち情報から、経済・地理・歴史・科学といった教養雑学まで、その領域は広い。主な著書に、『読み出したら止まらない! 英語 おもしろ雑学』『関東と関西 ここまで違う! おもしろ雑学』『知れば知るほど面白い 世界の「国旗・国歌・国名」なるほど! 雑学』『ここまでわかった! [図解]恐竜の謎』『見たい、知りたい! 日本の庭園』(以上、三笠書房〈知的生きかた文庫〉)などがある。

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