「変化にうまく順応できる人」が経ているプロセス 組織の変化にはリーダー自身が変わる必要ある
そんなことを繰り返しながら時には数年かけてNew Beginning Zoneへのプロセスをたどる。だから似たようなところをウロウロしている自分を意思が弱いなどと悲観的に捉える必要は一切ない。そして、人は複数のテーマでこのトランジションを同時に進行しながら生きている。
こうして変化をプロセスに分けて理解することのメリットは、今自分がどのプロセスにいるのかがわかれば、それぞれのゾーンごとに必要な行動を取ることができることだ。それぞれのゾーンから次に進むために必要なことを具体例とともに紹介する。
私は20歳から17年間にも及ぶ腎臓病との闘病生活を、37歳の時に受けた腎臓移植手術によって終えることができた。この移植手術の成功は私にとっては外的な変化であり、大きなチェンジであった。そして、手術後には輝かしい未来が訪れると考えていたが、実は私に訪れたのは深い混乱と鬱状態だった。Ending Zoneから抜けるために必要なことは、かつてはうまく機能しており、自分の多くを占めていた価値観やアイデンティティ、信念、恨みなどがもはや自分が望む結果を生まないということを認識し、受け入れることだ。
終わりを受け入れる上で有効な行動
私は17年もの死と向かい合わせの闘病生活によって、自分は身体が弱く、老後まで生きられず結婚もできないという思い込みに支配されていて、健康で活力のあるこれからの新しい自分の人生をすぐに受け入れることができなかったのである。
身体が弱い時代が終わったということを受け入れるために、まずは手術前に飲んでいた薬をすべて捨てることにした。また、できていなかった父との和解や、お世話になった人への感謝の手紙などを書いた。
終わりを受け入れるうえで有効な行動の1つがこの”儀式”だ。私の講義でも、かつてうまくいっていたが、今は手放したい価値観を象徴する具体的なものを選んでもらい、それをみんなの前でゴミ箱に捨てるという儀式を行っている。
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