自分に合ったホワイト企業の探し方とは? ランキングを上手に使いこなそう

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ホワイト企業とは、財務体質がよく、長く存続する企業

さて、企業評価は財務データを中心に行われるのが一般的だ。なかでも当期利益を自己資本で割ったROEは、非常に重要とされる財務指標で、これだけを見ればよいという意見もあるほどだ。

ただし、財務は過去の実績であり、短期の好業績であれば勢いで達成できることもある。直近3年が好調だからといって10年後も好調な企業かどうかはわからない。

一方で、投資家や就活生の多くはできるだけ長く存続する会社が望ましいと考える。それには、社会からの幅広い信頼関係を築くことに加え、投資や新規採用などのペース配分も重要な要素だ。

現在、良好な財務体質で、さらに今後も信頼できると見込まれる企業は長く存続する可能性が高い。また、何らかの問題が発生した場合も復活しやすい。非財務情報であるCSR評価を見ることで、ルールを守り、従業員や地域、協力会社などにも配慮した「正しい稼ぎ方をする会社」を知ることができる。

ランキングで効率よく企業を知ろう

さらに、ランキングの効用として、効率的に企業を知ることができるという点がある。数多くの情報から成る『CSR企業総覧』のデータを総合評価するCSRランキングやホワイト企業ランキングは、全体から一定水準以上の企業を振り分けることに向いている。

3500社以上ある上場企業すべてを知っている人は少ない。株式投資でも就職先選びでも「誰かが勧めるからそこにした」ではよい結果にならないことが多い。『会社四季報』、『就職四季報』、『CSR企業総覧』といった企業情報刊行物を1ページずつめくるよりも、興味のあるランキングを見て、それまで知らなかった会社をまず知る方がよほど効率がよい企業研究になる。

当社をはじめ、というのはおこがましいが、日々、大量のデータを見てトレーニングされているデータの専門家が、ランキングを作成し、無料、有料の媒体で発信している。これを利用しないのはもったいない。ランキングを見るリテラシーを備えることが、自らの企業評価軸を鍛え、企業を見る目を高める第一歩となるからだ。

 

働きやすくて、信頼される会社はここだ!
「本当のホワイト企業の見つけ方」
新卒定着率や育児休業取得率などの「働きやすさ」に加え、CSR(企業の社会的責任)や財務状況も考慮した「本当のホワイト企業」を見きわめる指標やランキングを徹底解説している。 

 

岸本 吉浩 東洋経済 記者

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きしもと よしひろ / Yoshihiro Kishimoto

1996年東洋経済新報社入社。以来各種企業調査にかかわる。『CSR企業総覧』編集長として、CSR調査、各種企業評価を長年担当。著書に『指標とランキングでわかる! 本当のホワイト企業の見つけ方』など。2023年4月から編集局記者、編集委員、『本当に強い大学』2023年版編集長。

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