これを、ROEがより高い20%以上にするとどうなるか。1位のミサワホームはCSRランキングは191位と上位ではない。CSRランキングの上位企業は表には入って来ず、CSR評価は全体に低くなる。明らかに財務面の評価が強まり、結果は大きく変わってくる。業種も構造的にROEの高い情報・通信業など非製造業が占めるようになる。さらに、ROEは、借金を多くして自己資本を少なくすると高くなる特性があるので、ケースに応じて割り引いて考える必要もある。
そもそも、大手でROEが20%を超える企業は多くない。評価対象の3505社を対象にすると、3期平均のROEが10%以上の企業は714社(比率20.4%)ある。これが20%以上になると151社(同4.3%)に急減する。
反対に財務基準を緩くする方を考えると、近年ROEは上昇傾向にあり、5%では若干物足りない。そこで、今回は10%が適当であると考えた。ランキングを見る際には、注記などに記載されている対象範囲にも注意し、それがどのような意味を持つのかを自分なりに考えることも必要だ。
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