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「ウーバー」や「エアビー」が高くなり始めた事情 スタートアップの大出血ビジネスが迎えた終焉

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だが「助成金」のせいで、必ずしも投資家が痛い目に遭うとは限らない。事実、ウーバーやドアダッシュのようにベンチャーキャピタルが資金を注ぎ込んできた企業の中には、大出血に耐え抜き、IPO(新規株式公開)にこぎ着けた会社もある。「最後には投資家に見返りがある」という約束を果たしたわけだ。

上場前にベンチャーキャピタルから200億ドル近い資金を集めたウーバーは、投資家による「助成金」ビジネスの典型といえる。バズフィード・ニュースの報道によると、ウーバーは運転手と乗客を集めるために、2015年を通じてサンフランシスコ地域だけで週に100万ドルを費やしていたという。

電動スクーターのバカげたビジネス

一方、採算重視への急激なUターンが目立ったのが電動スクーター(キックボード)業界だ。

覚えているだろうか。パンデミックとなる前は、アメリカの主要都市を歩けば、必ずといっていいほど電動スクーターを見かけた。スクーターの利用があんなにも劇的に広まったのはなぜか。

理由の1つは、バカみたいに安い料金にあった。電動スクーターのレンタル市場でトップを走る新興企業のバードは、初乗りが1ドル、その後1分ごとに15セントという料金体系で、短距離の移動ならバスに乗るよりスクーターを借りるほうが安かった。

だが、バードの料金体系は実際の経費とはかけ離れていた。最近の投資家向けプレゼンテーションによると、2019年の時点でバードは10ドル稼ぐごとに9.66ドルの損失を出していた。衝撃的な数字だ。とんでもなく忍耐強い投資家のいるシリコンバレーのスタートアップ企業でなければ、持続可能な損失とはいえない(食材に19.66ドルのコストがかかっているサンドイッチを10ドルで販売する店を想像してもらいたい。そんな店があったとすれば、瞬く間につぶれている)。

コロナ禍の損失に加え、さらに利益を出さなければならないというプレッシャーが重なったことから、バードは値上げを迫られた。

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【大出血ビジネスに潜む超常理論と搾取】

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