新型では、先進安全装備「ホンダセンシング」が、広い水平画角のフロントワイドビューカメラや、前後4カ所のソナーセンサーなどの採用により、周辺の検知能力が向上している。中でも高速道路で効果を実感できたのが、先行車との車間距離を保ちながら追従走行を行うACC(アダプティブクルーズコントロール)だ。大雨の中や暗いトンネル内でも、カメラやソナーが確実に周辺を検知し、しっかりと先行車との車間距離を保持する。また、先行車が速度を落とせば、自動で減速し、常に安全な距離を保つ。近年は、とくにカメラの性能が進化しており、自車周辺の検知能力が上がっているため、今回の悪条件下でも安全性を十分に担保していることが実感できた。
新型モデルのACCでは、ほかにも渋滞追従機能が追加されたが、今回は試乗中に渋滞が起こる状況がなかったため、その効果は確認できなかった。また、2車線ある高速道路では、先行車の割り込みやレーンチェンジなどを素早く検知して加減速したり、加速しながらレーンチェンジしたりするなど、より自然な走りになったという。これら改良点も今回は、1車線の自動車専用道路だったため、残念ながら試すことはできなかった。機会があれば、ぜひこのあたりも体験してみたい。
今後、自慢のAWD車がどれだけ売れるのか?
新型ヴェゼルには、ほかにも先代以上に広い室内や後席の足元スペース、独自のコネクテッド・サービス「ホンダコネクト」にナビ地図の自動更新機能が追加されたなど、使い勝手や快適性に関する数多くのアップデートがなされている。ホンダSUVの主軸モデルとしては、他メーカーのライバル車に劣らない商品力を有しており、それが先述した売り上げの好調さに繫がっているのだろう。
今回は、主にヴェゼルのAWD車の乗り味を紹介したが、個人的には、雪が少ない東京圏に住んでいると、4WD車の必要性を普段あまり感じない。だが、雪路に限らず、大雨などの悪天候時でも、その走行安定性の高さは十分に実感できた。ホンダによると、先代モデルでは、新車販売台数の中で4WD車が占める割合は2割程度だったという。それでも、東北地方や北海道など、雪が多い地域では確実に需要はある。また、近年のアウトドアブームにより、4WD車の需要も少なからず増えてくることも想像できる。
開発者は、AWD機能の向上などがユーザーにより認知されれば、「新型はもっと需要が伸びる可能性がある」と期待する。売れ筋の2WD車に加え、より4WD車の売り上げも伸びれば、かつて先代が国産SUVの代名詞的存在だったヴェゼルが、再び復権する日も近いかもしれない。
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