ホンダ「新型ヴェゼル」2モーターHVの実力は? 2カ月で3万台以上売れた大人気SUV試乗テスト

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試乗車のエンジンルーム。今回試乗したのが、1.5Lエンジンに2つのモーターを組み合わせたハイブリッドモデルとなる(東洋経済オンライン編集部撮影)

ヴェゼルのe:HEVは、走行用と発電用の2モーターと、1.5Lガソリンエンジンを組み合わせた独自のハイブリッドシステムを採用する。走行シーンに応じてモーター走行とエンジン走行をスムーズに切り替えるのが特徴だ。発進時や市街地などの一般道では、主にモーターのみを使う「EVモード」で走行する。

シフトレバーをDレンジに入れる。電動式のパーキングブレーキは、走行状態に入る直前に自動で解除される方式のため、一般的な機械式のように解除忘れでブレーキを引きずったまま走るということがない。

アクセルペダルをゆっくりと踏み込み、駐車場を出て一般道に入る。EVモードでは、モータードライブらしいスムーズな走りをみせる。40km/h程度まで車速を上げてみるが、エンジンが始動していないことと、車体の静粛性が向上しているため、車内はとても静かだ。タイヤのロードノイズもほぼ聞こえない。

また、細い路地を曲がったり、左右に切り返したり、Uターン時などでは、小回りがかなり利く。コンパクトな車体の強みもあるが、ステアリングの舵角に対する車体の応答性がいいことも要因だろう。ちなみに、ヴェゼルの最小回転半径は5.3~5.5mで、市街地における扱いやすさは、トヨタの「ヤリスクロス」やマツダ「CX-30」など、ライバルである他社コンパクトSUVとほぼ同等だ。

エンジンが始動する回数は思ったよりも多い

一般道でも、登り坂などでアクセルを踏み込み加速すると、40km/h程度でもエンジンが始動し、充電用モーターを回す「ハイブリッドモード」に切り替わる。逆に、下り坂でアクセルペダルを緩めるとEVモードに戻る。また、平坦な道でも、60km/h程度まで急に加速するときは、再びハイブリッドモードになる。切り替えはとてもスムーズだが、急にエンジン音が聞こえるため、タイミングはわかりやすい。

あくまで個人的見解だが、ライバルのコンパクトSUV、トヨタ・ヤリスクロスのハイブリッド車と比べると、市街地でもエンジンが始動する回数が多いような気がする。トヨタでは、モーターとエンジンを状況に応じ使いわける、モーターがエンジンの駆動力をアシストするシリーズ・パラレル式ハイブリッドを採用するが、市街地で40km/h程度で走る際は、モーターのみを使っていることが多い印象だ。もちろん、これは道路状況やアクセル操作の仕方、バッテリーの充電状況などで変わるため、一概にはいえないのだが。

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