ホンダ「新型ヴェゼル」2モーターHVの実力は? 2カ月で3万台以上売れた大人気SUV試乗テスト

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ドライブモードスイッチの機能概念図(写真:ホンダ)

渋滞路などでは、ステアリングの左右についたパドルシフト形状の「減速セレクター」を使うと、頻繁にブレーキペダルを踏まずに減速ができる。4段階に設定を変えられる減速セレクターは、ステアリング左側レバーが減速度を上げ(車速がより落ちやすくなる)、右側レバーが減速度を下げる(車速がゆっくり落ちる)ようになっている。先行車の速度や交通の流れに合わせて減速セレクターを1~4に選択すれば、ブレーキペダルを頻繁に使わずに済み、疲労度を軽減する。

Bレンジと減速度の調整で自分好みにアレンジ

減速機能(Dレンジ/Bレンジ/減速セレクター)の機能概念図(写真:ホンダ)

さらに、e:HEVには、よりしっかりとした減速度になる「Bレンジ」も用意する。渋滞がひどく、かなりのノロノロ運転となるとき、シフトレバーを下げてDレンジからBレンジに切り替えてみた。ゆっくりとアクセルを緩めると、ブレーキペダルを踏まなくても、ほぼ停車寸前まで減速することができる。つまり、コンパクトSUVの「キックス」やコンパクトカーの「ノート」など、日産自動車のハイブリッド車が採用する「e-POWER」でいうところの「ワンペダル操作」が可能なのだ。

ヴェゼルでは、停止に近い状態でも、クリープ現象で車両がわずかに進むため、信号待ちなどで完全に停止するにはブレーキペダルを踏む必要がある。ただし、停止状態をキープする「オートブレーキホールド」機能を使えば、ペダルを踏み続ける必要はない。また、Bレンジでも先述の減速セレクターが使える。Dレンジから切り替えた直後は、最も減速度が大きい4の設定になっているが、渋滞時の車が流れる速度などに応じて減速度を小さくするなど、状況に応じた設定も可能だ。

ちなみに、今回はヴェゼルのガソリン車も、借り切りで一般車両がいない駐車場内で試乗してみた。市街地に多い30~40km/h程度の速度域まででは、ハイブリッド車とほぼ同等に、発進から軽快かつスムーズに走る。これは、ガソリン車の車両重量が、ハイブリッド車と比べ、2WD(FF)車で100~150kg、4WD車では100~120kg軽いためだろう。車体が軽ければ、軽快性や加速は当然よくなる。もちろん、ガソリン車の燃費は、WLTCモード総合が15.6~17.0km/Lだから、同モード22.0~25.0km/Lのハイブリッド車ほどではない。

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