ホンダ「新型ヴェゼル」2モーターHVの実力は? 2カ月で3万台以上売れた大人気SUV試乗テスト

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アジャイルハンドリングアシストの機能説明図(写真:ホンダ)

今回のような悪条件下でも安定してカーブを曲がれるのは、ガソリン車を含む全車に標準装備された「アジャイルハンドリングアシスト」の効果も大きいのだろう。これは、コーナリング時にステアリング操作に応じて、前輪に軽いブレーキがかかり、車両の動きを滑らかにして安定感を出す機能だ。減速時にはライントレース性を向上、カーブ出口の加速時には最適な前後駆動力配分を行うことで安全性と軽快感を両立する。なお、ホンダによると、とくにAWDとのマッチングでは、雪上でより際だった走破性を実感できるという。今回は雪道ではなかったものの、雨中の走りにくい路面状況でも、あまりナーバスにならず、平常心で「普通」に走れたスムーズさにも好感が持てた。

ブレーキは利きもよく、ペダルを踏む量に応じて速度調整が可能なため、コントロール性もなかなか良好だった。雨だったため、あまり強くかけるようなことは避けたが、下り坂のカーブ進入時などで、思った以上に速度が出ていても、落ち着いてブレーキペダルをじわっと踏めば、しっかりと安全な速度まで減速ができた。

なお、下り坂でも先述した減速セレクターが疲労を軽減してくれる。クルマの流れが比較的スムーズであればDレンジのままで、ノロノロ運転のときはBレンジにして減速度を1~4で調整することで、ブレーキペダルを頻繁に踏まずに、アクセルペダルだけで加減速ができるワンペダル操作を行うことができる。

高速道路での試乗インプレッション

高速道路については、今回は試乗時間の都合もあり、1車線しかない制限速度70km/hの自動車専用道路での試乗となった。ヴェゼルのe:HEVでは、前述のとおり、高速道路ではエンジンのみで走行するモードに切り替わる。ただ、登り坂で先行車にトラックなどが走り巡航速度が低いと、エンジンが発電用モーターを動かしてモーター走行を行うハイブリッドモードになる。また、高速クルージングでスムーズな走行を実現するECONモードがあるが、同じく巡航速度の関係で、ノーマルモードとの差はあまり感じられなかった。ただし、70km/h程度の高速走行でも、道路に大きな水溜まりがあった場合、AWDなどの機能により安定した走行は実感できた。

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