俳句の達人は「最高のネタ」をこうやって見つける 岸本尚毅さんと夏井いつきさんに聞く
お花を摘むように、言葉探しに出かけましょう
夏井 まずは「俳句を作ろう」と思わずに、秋の野原でお花を摘むように「この言葉、なんかちょっといいかも」という感じで言葉探しの旅に出ましょう、という話ですね。
「私は好奇心や感動がない」と気に病む人がいますが、もちろん感動や好奇心はあるに越したことはないけど、それより「ひとまず、お花を摘むように言葉を探しに出かけてみる」ことのほうが俳句には大事。
普段歩いていると、そこらに雑草が生えていますよね。孫たちが遊びに来たら、車を停めた駐車場からここまでの間に、ちっちゃい花とも思えないような草の花をちぎって、「お土産!」って持ってきてくれたりするでしょ。俳句の種ってそんな「お金はかかってないけど、見つけたからお土産!」くらいの気分でいいような気がするんですよ。
岸本 花もそうですし、ショッピングするとか、虫を捕るとか。道ばたで寝そべっている猫の写真を撮るとか、雑談のネタ探しですね。インスタグラムにご馳走の画像をアップするとか、お酒が好きな人は酒屋に行って新発売のビールを買うとか、ありとあらゆることですね。