プジョーSUV最新3モデル試乗で見えた人気の核心 ディーゼル、PHEV、EV…とバリエーションも豊か

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システムは前後にモーターをもつ本格的なもの。発電兼駆動を受け持つモーター(110PS)と組み合わせた直列4気筒1.6リッターガソリンターボエンジン(200PS)で前輪を駆動し、後輪は、112PSの電動モーターで駆動する4輪駆動方式を採用。システム全体の出力は300PSに達する。トランスミッションには一般的なATが採用するトルクコンバーターから湿式多板クラッチに変更し、全幅を30㎜小型化した専用の8速ATを組み合わせた。

プジョーPHEVシステムの概略図(写真:Groupe PSA Japan)

2次電池には後軸前部分に13.2kWh のリチウムイオンバッテリーを搭載し、エンジンを停止させたEVモードでの走行可能距離は最大で64km(EVレンジWLTC)を達成する。このEVモードにおける最高速度は135km/hだ。

ちなみに、国産のPHEVでは、三菱の同クラスSUV「エクリプスクロスPHEV」が13.8kWh で57.3km(同)、少しボディは大きくなるがトヨタのSUV「RAV4 PHV」が18.1kWh で95km(同)。

3008 GT HYBRID4の充電方式は普通充電のみ。充電時間は、200V 3kWで約5時間、200V 6kWで約2.5時間だ。とかく日本市場では急速充電方式を求める声が大きいが、PSAグループでは現時点で、電気自動車である「e-2008」や「e-208」にのみ、急速充電方式を採用している。

あえて選びたくなる理由がある

走行性能は任意のスイッチ操作で4つのモードから切り替え可能だ。エンジンを停止させた①「EVモード」(主な駆動/後輪モーター)、エンジンと協調させたモーターとエンジンの出力バランスを0~100%の間で自動制御する②「ハイブリッドモード」(同/後輪モーター駆動で走行状況にあわせてエンジンでも駆動)、③「4WDモード」(同/後輪駆動と4輪駆動を自動で切り替え)、④「スポーツモード」(同/エンジン主体で前輪を駆動させ後輪モーターも稼働)。

文字にするとわかりづらいが、①ではEV走行ならではの静かな走りが楽しめ、④になると擬似的なエンジンサウンドも加わって過激な走りまで楽しめる。こうしたシーンごとにハッキリ分けられた乗り味は、環境一辺倒にならず、ピーク性能だけに振りすぎることもないことからバランスがいい。数あるPHEVの中からあえて3008 GT HYBRID4を選ぶ理由にもなる。

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