ヴェゼル対キックス、SUV電動化対決の行方は? ホンダと日産の電動&SUV戦略車、その違いは
ホンダの新型「ヴェゼル」は、ハイブリッド車をラインナップの中心に据えたことに注目が集まっている。ガソリン車は、先代の5グレードから1グレード(G)のみに絞り、独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」搭載車を3グレード設定する(e:HEV X、e:HEV Z、e:HEVプレイ)。
一方、同じコンパクトSUVのジャンルでは、日産自動車(以下、日産)の「キックス」もハイブリッド車のみをラインナップし、やはり同社独自のシステム「e-Power」搭載モデルを2グレード設定する(X、Xツートーンインテリアエディション)。
グレード体系がシンプルな点や、ハイブリッドシステムに大きな特徴があるなど、共通点も多いヴェゼルとキックス。いずれも近年人気が高いSUV市場におけるホンダと日産の主軸モデルであり、両社が掲げる新型車の「電動化」に向けた戦略機種というポジションを持つ。
ここでは、そういった「似たもの同士」ともいえる競合2モデルについて、特徴や装備などを比較することで、それぞれの魅力や優劣を浮き彫りにしてみる。
2モデルのプロフィールを比較
ヴェゼルは、2013年に発売された初代が、SUVクラスで4度の年間販売台数1位を獲得するなど、コンパクトSUVというジャンルを盛り上げた先駆者的モデルだ。2代目となる新型では、1.5Lガソリン車と1.5Lガソリンエンジンに走行用と充電用のモーター2つを組み合わせたハイブリッドシステム、e:HEV搭載車を投入する。前述のとおり、グレード体系はハイブリッド車の比率が高く、ホンダが2021年4月に発表した「2040年に新型車を100%電動化」という事業目標への足がかりとも思えるラインナップだ。
対するキックスは、2020年6月30日(発表は2020年6月24日)に10年振りのブランニューモデルとして発売された。大きな特徴は、1.2Lガソリンエンジンで発電し、駆動用モーター(1基)で走行するハイブリッドシステム、先述したe-Power搭載車のみを設定している点だ。e-Powerは、従来から「ノート」や「セレナ」に採用され高い評価を受けており、EVと並び日産が「要」に据えた電動化技術である。ガソリン車を一切設定せず、その「伝家の宝刀」のみを人気が高いSUVセグメントに投入した理由は、同社が2020年5月に掲げた4カ年計画、「2030年度までに年間100万台以上の電動化技術搭載車を販売する」などの目標を具現化するためでもある。
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