ゴルフ「テーラーメイド」価値向上した3つの理由 離れていたゴルファーが戻ってきた効果も
タイガー・ウッズがクラブ契約をしているテーラーメイドゴルフ社が、KPSキャピタル・パートナーズから、韓国の投資会社セントロイド・インベストメント・パートナーズに売却されると発表があった。
KPSの発表では詳細は明らかにされていないが、韓国の朝鮮日報オンラインによると、「投資銀行業界の話としてテーラーメイドの全株式を17億ドル(約1847億円)で取得する契約を結んだ。ゴルフ業界の合併・買収としては過去最大の規模。これまでは2011年にフィラコリアが『タイトリスト』ブランドを保有するアクシネットを13億ドルで買収した例が最大だった」とのことである。
テーラーメイドの価値が上がった理由
テーラーメイドは4年前の2017年5月に、当時の親会社のアディダスがコアビジネスである競争力のある靴やアパレルの2大ブランド「Adidas」と「Reebok」に資源を集中する理由で、KPSに4億2500万ドルで売却された。報道どおりであれば、今回の買収額はその時の4倍の価格ということになる。
テーラーメイドがKPSに売却された2017年当時、ゴルフ界にとってマイナスのニュースが流れていた。2016年8月にナイキがアパレルとフットウェアビジネスに集中し、クラブ、ボールおよびバッグを含むゴルフ用品ビジネスから撤退することを表明。続いて、アディダスがテーラーメイドを売却した。ゴルフ業界、とくにゴルフ用品のビジネスに先行きはないのかと業界に衝撃が走った。しかし、それから4年、逆に企業価値が跳ね上がったのだ。
テーラーメイドの価値が上がった理由は大きく3つ考えられる。1つはタイガーををはじめとした契約選手の活躍である。テーラーメイドの契約選手には、現在世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンのほか、コリン・モリカワ、ローリー・マキロイ、マシュー・ウルフ、リッキー・ファウラー、そしてタイガーなど、錚々たる世界のトッププレーヤーが名を連ね、勝利を重ねている。
とくに、タイガーはナイキがゴルフ用品から撤退し、テーラーメイドとクラブ契約した後復活し、2018年のツアー選手権で5年ぶりの復活優勝、2019年に14年ぶり5回目のマスターズ優勝、同年日本で開催されたZOZOチャンピオンシップでも優勝しPGAツアーで82勝を記録した。この優勝でPGAツアー勝利数歴代1位のサム・スニードと並んだ。
タイガーの復活を支えたテーラーメイドのクラブの存在は、そのブランド力アップ、企業価値向上に効いていると言えそうだ。同社の売却を2月に報じていたニューヨークタイムズでも、昨年テーラーメイドのCEOデビット・アベレスもタイガーとの契約はブランドの強さと成長の重要な要素であると発言したことを取り上げている。
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